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2022/04/11

道行

上谷直希 
協力自玉ステイルメイト 18手『道行』
(Web Fairy Paradise 163 2022年1月)

2022-04-10a.png

【ルール】
 協力自玉ステイルメイト:先後協力して最短手数で攻方をステイルメイト(王手は掛かっていないが合法手のない状態)にする。

【作意順】
43角成 同玉 49香 48飛合 47香 46飛合 52銀 同玉 44桂 同飛
64桂 同飛 42香成 同飛生 43香成 同飛 44桂 同飛上 まで 18手

2022-04-10b.png

 動く将棋盤のリンクは   http://k7ro.sakura.ne.jp/jTMLView/TMLView.html?../wfp/wfp138-10.xml
(Onsite Fairy Mate WFP作品展鑑賞室


【作者コメント】
 普段はついつい作品内容についての話が長くなってしまうのですが、本作の場合は特に言うことはなさそうです。手順がすべて。

 タイトルは北野恒富氏の作品より。生で見たときの印象が強いです。組となって消えていく駒や三羽の鴉(桂)、(ルール的に)死出の旅であることなどが合致しているかと考えております。縁起でもないタイトルですがルールが"自殺"系なのでご容赦いただければ。

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【解き方みたいなもの】
 ステイルメイトを達成する作品では、与えられた手数で何枚駒を消さなければいけないのか考えるのがコツです。
 18手ということは攻方の着手は9手与えられています。そして何枚の駒を消さないといけないか考えます。さすがに盤上の角と持駒は消さなければならないでしょう。

 角1枚+銀1枚+桂3枚+香2枚で合計7枚

 どんなに無駄を削っても、7枚の駒を消すためには7手必要です。逆に言えば、攻方着手で駒を消さなくていい着手は2手あることがわかりました。
 
 加えて自玉ステイルメイトでは自玉も動けないようにしなければいけません。初形配置で自玉の行動を縛る受方駒配置はありませんので合駒で発生させる必要があります。1枚だけ発生させて詰め上がりを構築することも不可能ではないのですが、結論から言いますと大概のパターンがせめて2枚は駒の補充が必要です。

 以上を考慮すれば、攻方の手順構成は「合駒発生:2手+捨駒:7手」がほぼ必然であることが分かります。1手も無駄にできないガチガチの状況ですね(そういう状況にしないと余詰がコントロールできないという事情もあります)。
 あとはゴリ押し。

【解けるかどうかは置いておいて】
 なかなか難解な作品なのかもしれませんが、解答者1名には驚きました。
 理屈どうこうが伝えたいことではなくて、もう、並べればわかるはずなので、解けなかった方も是非並べるだけでもやってみてください。感想もください。
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2022/03/22

2019-21年記事一覧

最近まとめをサボっていたので、年度末でもありますし、新しくアクセスしてくださっている方もいらっしゃる(気がする)ので再度まとめておきます。記事少ないけど今後も牛歩の歩みで進めます。

 すでに終わっているイベント案内などの記事は省いています。

■普通詰将棋
 詰パラの伝説回:2014年11月高校 
 詰将棋サロン名作選 
 「課題」を考える難しさ 
 詰将棋パラダイス2018.11 高校24 

■普通詰将棋 入門系
 【詰将棋鑑賞入門】合駒を動かす5手詰 
 
 詰将棋鑑賞の入門はこのタグも見てみてください。
 
■フェアリー
 たま研で"一番好きなフェアリー作品"を紹介したりした 
 最後の1ピース 
 パス 
 
■フェアリー自作
 たま研で使った例題 

■透明駒
(入門記事)
 透明駒はじめてガイド 
 透明駒ことはじめ1手3手 【出題編】 【解説編】 
 透明駒ことはじめ1手3手【かしこ編】 
(発展)
 透明駒+禁欲の可能性 
 Fairy TopIX 2019 

※このルールの入門の書籍が出ました。是非お求めください。
 透明駒関連の新刊!! 
2022/03/16

限定合の出し方入門

 拙速を第一とした記事なので誤字脱字があれば後に修正します。
 入門記事なのでマニアの皆様は優しく見守ってください。

【限定合の出し方入門】
 ここでは駒台から選ぶ打合の限定合を取り上げます。
 普通詰将棋で合駒を出したい。でもどうやって?というお悩みに答えるための記事です。
 明快さ最重視で非常にざっくりした記事になっているので、マニアな方から見ればいくらでも例外が思いつくと思いますがそこはご容赦ください。

 限定合:
 合駒の中で、この駒以外は早く詰むということで、一種類の駒に合駒を限定させること。
(将棋タウン 用語集より)



 要するに限定合を出すためには「○○を合駒すると一番受方が得をする(一番長く生きのびることができる)」意味付けを考える必要があります。

 ここではその意味付けを大きく2つに分けてみようと思います。

●積極的合駒(『強い』合駒)
 →盤上に残ったときに一番強い受駒になる
●消極的合駒(『弱い』合駒)
 →攻方に取られたときに一番役立たない駒


 積極的/消極的合駒という名称は特に定まったわけではないですし、全体でコンセンサスが得られているわけではないです。ただ代わる表現も思いつかないのでこの用語を使用します。
 積極的/消極的な意味付けのどちらかを使用したり、あるいは両方を組み合わせたりしたりして合駒は限定されていることが多いです。

 ちなみにどっちの意味付けを使用したほうが価値が高いとかはないです。

 話が長くなるとアレなので早速例図を載せています。
 やっぱり用語より例題を並べるのが一番伝わるはず。

【積極的合駒】
 →盤上に残ったときに一番強い受駒になる


(金合)
2022-03-16a.png

12飛成、13金合、同龍、同玉、23金、14玉、24金まで7手詰

 2手目は23地点に利きをもつ"強い"合駒を選ばないと23龍までの即詰です。
 横利きを持つ合駒は飛か金しかありませんが、飛は品切れなので金合で決まり。この限定の仕方はセコいですけどごめんね。

(飛合)
2022-03-16b.png

42飛成、32飛合、34桂、11玉、12香、同飛、同龍、同玉、32飛、11玉、22桂成まで11手詰

 詰キストなら1000回ぐらい見ているかもしれない収束パターンです。もはや共有財産。
 2手目の合駒が飛以外ならば5手目12香に同玉とするしかなく32龍以下早詰。
 32地点から12地点に利きをつくれるのは飛のみ。

(角合)
2022-03-16d.png

43飛成、33角合、24香まで3手詰

 双玉を利用するパターン。2手目角合以外ならば32飛成まで、香を使用せずとも詰んでしまい駒が余ってしまいます。角合ならば逆王手を無視できないので、24香とするしかありません。駒を余らせない意味付けの限定合でした。

 ひとまず3パターンぐらい出しましたけど、応用すれば他合の限定もできそう(実際にできる)という雰囲気が伝わればいいです。

【消極的合駒】
 →攻方に取られたときに一番役立たない駒


 こちらは、盤上に残ったときに役立つというわけではなく、相手に取られたときに何が一番役立たないかという意味付けで決めます。普通に考えれば歩が一番役立たなそうですが、当たり前すぎるので歩限定合が消極的意味付けで登場して高評価をもらえるかというとウーン。
 消極的合駒では頭が丸い角合や桂合の頻度が多いです。

(歩合)※逃れ図です。詰みません。
2022-03-16c.png

 44馬に33合。何を合駒されても取るしかありません。
 歩合以外の駒はすべて詰みますが、歩合だけ打歩詰で詰みません。

(桂合)
2022-03-16f.png

44馬、22桂、同馬、同歩、23桂、同歩、44馬まで7手詰

 歩合を二歩禁で消してみました。
 2手目他合は取って即詰。桂合のみやや長くなります。

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 ここまで読めば合駒の限定のさせかたがお分かりいただけるでしょう。
 カンタンですね!
 
 最後にまとめとして課題を1つだけ提示して終わります。

【確認課題】香合が出る詰将棋をつくってください。

 この課題を選んだ理由がお分かりいただけるでしょうか?
 香合を限定させるためには積極的・消極的意味付けの両方が必要なのです。
 香という駒は飛の完全下位互換で、歩の完全上位互換です。つまり、"強い"駒を求められるだけならば飛が選ばれるし、"弱い"駒を求められるだけならば歩が選ばれるはずです。なので香合を出すためには適度に強くて、適度に弱い駒が求められる構図を考える必要があるのです。

 一番いい図かは分かりませんが、ひとまず私が考えた図はこちら。

2022-03-16e.png

33馬引、(イ)24香合、16歩、14玉、26桂、同香、15歩まで7手詰

(イ)24飛合は、同馬、同玉、25飛、14玉、26桂まで同手数駒余り。
(イ)24他合は、作意順同様に進めて26桂までで詰み。

 2手目に26地点に利きを持たない駒を出してしまうと、5手目の26桂で詰んでしまいます。そう意味では香合は他合より"強い"ですが、かといって最強である飛合を出してしまうと、攻方に逆用されてしまいます。そういう意味では、香合は飛合より"弱い"という理由で選ばれていますね。

 ちなみに上の図はまだまだ逆算できそうなのでやりたい方はお好きにどうぞ。
2022/01/04

"最後の1ピース"入門Web講座 案内

第4回 フェアリー詰将棋Web通話型入門講座 案内
"最後の1ピース"入門Web講座 案内


 あけましておめでとうございます。
 なんやかんやで1年ぐらい第3回から間があいてしまいました。今年もDiscordやるぞ。
 今回は「最後の1ピース」を取り上げてみます。前回の記事のやつです。

 第3回を視聴いただいた方はもちろん、第4回が初参加の方もお待ちしております。ちなみに今回の講座も、これまでと全く別の話題なので今回が初参加でも全く問題ないです。各回が独立しています。

 とりあえず「やる」とだけ宣伝しておいて、内容はこれから考えるいつものパターンです。ルールがルールなので、これまでで一番とっつきにくいはずです。あなたもすぐできるようになる。これだけは間違いない。

【開催概要】  
対象者:フェアリー詰将棋に興味がある方
取り上げるルール:最後の1ピース
演者:上谷
日時:2022年1月22日(土) 14時~ 
使用ソフト:Discord 
費用:特になし


※当日までにダウンロードあるいはブラウザ視聴で動作確認をお願いいたします。当日の視聴にはPCおよびインターネット環境が必要です。スマホでもできるかもしれませんがPCのほうがやりやすいと思います。
 Discordの『設定』からマイクテストができるはずなので、必要に応じてご準備をお願いします。なお、視聴だけならばマイクは必須ではありません。質問はテキストチャットでもできます。
『Discordの使い方』(外部リンク)

 「1回1ルール」をモットーに、フェアリールールの説明および作品解説を行います。
 たま研でもDiscordによるWeb通話を使ってみて、"これはいけるかもしれない"という感触があったので引き続きやってみます。

 パワーポイントの画面を共有してスライドショーをぱらぱら流したり、PC上で将棋盤を動かしたりして解説します。
初心者歓迎。メインターゲットです。というよりこのルールは出たばっかりなのでみんな初心者です。私も初心者です。私が話していいのかも分かりません。講座と題していいのかも分かりません。気楽にいきましょう。まあなんとかなるやろの精神で話すので皆さんあたたかく見守ってください。

【注】
1)この講座は上谷が個人的に行うものであるため、当日に機械の不調や社会的事情等による予期せぬトラブルや日程の変更が生じる可能性があります。また視聴者側の機械トラブルについてのご対応・ご相談はお受けできませんのでご了承ください。
2)ルール解説は講座内で行いますので予習は特に必要ありません。
 詰将棋のルールおよびばか詰のルールについては、特に講座内での解説の時間は設けませんので、必要に応じてご確認をお願いいたします。
ばか詰のルール等 
3)人数制限は設けない予定ですが、あまりにも申込者が多いようならば設けざるを得ないことになるかもしれないです。そのときには申し込みの先着順とさせていただきます(多分そんなことにはならないでしょうけど)。

【申込方法】
(初めて参加される方)
 上谷(mail: tsumecontact◎gmail.com) ◎を@に変換
 上記メールアドレスに『第4回 フェアリー入門Web講座申込』のタイトルでメールを送ってください。あるいはTwitter(@ueeeee22)のDMでもいいです。返信いたします。

申込締切:1月19日(水)

(第1回~第3回の講座に参加いただいた方)
 メールでの連絡は必要ありません。
 これまでに使用したDiscordのルームをそのまま使用しますので、当日にふらっと入室していただければそれでいいですが、当方が前日までに大体の参加人数をある程度把握しておきたい気持ちもあり、参加をご希望の場合は、できればルーム内のチャット欄に「第4回参加します」などの一言を事前に残しておいていただけると助かります。
 配布資料はチャット欄に置く予定です。

 当日は都合が悪いけど配布資料だけでもほしいという方もメールください。お送りいたします。
 ただし、資料はこれから作る段階なので開催当日以降のご相談のほうが確実かも。
2021/12/12

最後の1ピース

皆さまこんにちは。前回記事ではウマ娘にかまけていたようですが、最近は毎週のようにリアルのお馬さんにかまけている上谷です。
 さて最近詰将棋のほうで力を入れているのは「最後の1ピース」です。

【基本形式】
 出題図に1枚駒を追加してn手詰の完全作にする。ただし、追加する駒は、攻方の駒、受方の駒、持駒いずれでも構わない。



「最後の1ピース」の紹介 馬屋原剛氏
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP159.pdf(リンク先79p-)

 
 細則やオプション、例題についてはリンク先の記事を確認していただきたいのですが、要するに駒1枚追加して完全作をつくればいいというきわめて明快なルールです。じつに分かりやすく、なおかつ創作者に優しい! なんていったって、非限定がある図を勝手に間引いてくれるんですからね。

 そんでもってもう少しで「最後の1ピース」作品展も開催されるようです。

〇作品要件
・5手以内の最後の1ピース
・他ルールとの組み合わせは自由です。但し、馬屋原のキャパオーバーの作品は作者に解説をお願いする場合があります。
・1人2作まで
〇スケジュール
・投稿締切:2022 年 1 月 31 日
・作品掲載:WFP2022 年 2 月号
・解答締切: 2022 年 3 月 31 日
・結果稿: WFP2022 年 4 月号



 第1回最後の1ピース作品展 馬屋原剛氏
 http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP161.pdf(リンク先56p-)


ぜひ投稿したいですね。

 私も初めて接するルールなので、ひとまず感触をつかむためには何かつくるのが一番! 
と思いいくつかつくってみてTwitterで発表してみました。
 図面を載せておくので初めて見た方はチャレンジしてみてください。解答は17日ぐらいにコメント欄に記載しておきます。

① 最後の1ピース 協力詰5手
2021-12-12a.png

[コメント]
 1枚追加で協力詰5手の完全作にしてください。ルールが協力詰なので一切の非限定をなくし、最終手まで完全限定にする必要があります。持駒に金や銀を追加すれば詰むことは詰むもののどこかに非限定が生じるはずです。

② 最後の1ピース 協力詰5手
2021-12-05a.png

[コメント]題して「最初の1ピース」笑
盤面は真っ白。駒を1枚(相手玉であることは明白ですね)配置して協力詰5手の完全作にしてください。
ex)11玉は22角、12玉、13角成~の筋だけでなく初手44角以下33地点で合駒を稼げば詰んでしまいます。

③ 最後の1ピース 普通詰将棋3手
2021-12-11b.png

[コメント]駒を1枚追加し、最初から最後まで完全限定の普通詰将棋3手詰をつくってください。なんと言っても普通詰将棋、しかも3手なのでね!! フェアリーうんぬん抜きにしてチャレンジできますね

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いくつかつくってみた感想としては、"詰むことは詰むものの詰みすぎるのでうまく手綱を抑える必要がある"条件はつくりやすい印象でした。
2021/10/31

パス

思い出したようにブログを更新します。
 といっても今回は軽めにコラムテイストです。

 最近私がちょっと頑張って書いたのがこちらです。



 Problem Paradiseという雑誌に掲載いただいております。
ぜひ読んでね。



 その中で私は"パスが生じる詰将棋"について話しています。
 私がつくった図も一応あるのですがここでは割愛。ちなみに、その意味付けで表現するとすれば最短(と思われる)で19手。
 手数が短くなればなるほど、意味付けに苦労しそうな印象です。

 そんななか最近Web Fairy Paradiseを見返していると、同様の狙いを持駒制限を使用せずたった2手で表現している作品を見かけました。

青木裕一作
(Web Fairy Paradise 157 2021年7月)


aokisan.jpg

作意順や解説はWFPの結果稿掲載号をご確認ください。
結果稿:http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP159.pdf
(リンク先 28p-)

 なるほど、Imitatorを使用すればこんなことができるのかと膝を100回は叩きました。
青木さんならではの柔軟な発想です。

 

 短いですが今回はこれで終わりです。