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2018/10/21

詰将棋パラダイス2018.4 高校18

自作(2018/4 詰将棋パラダイス 高18)

123456.png

27龍、26角合、44飛、34角、25香、33玉、45桂、同角、(A)35香、同角、23香成、同角、24龍、同角、43飛成 まで15手詰

(A)36香は同角ならば簡単に詰むが34歩合で手が続かない。

(投稿用紙より)
 アンピンがテーマの作品は多いと思いますが、ピンされる駒を出現させるところから始める作品は比較的少ないのではないでしょうか(注:投稿時はテキトーなこと言っていますね。本当のところは分かりませんよ)。

 35香が主眼手のつもり。26角の筋を遮断するための一手になります。
順算創作ではありますが全ての駒を捌ききることができました。
33玉以外の玉方応手はすべて角。2枚の合駒が「33玉」というつなぎの手以降で2回ずつ動く手順とも捉えることができるかもしれません。

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 最近の自作のなかでは結構好きな1作。どんな作品でも何かしら納得がいかないところがあったりして、色々推敲を尽くしても不満な部分がどうしても消せなかったりするものですが、本作については正直不満なところがありません。
 軽すぎるのかもしれませんが…。
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2018/09/30

マイフェイバリットフェアリー10(終)

マイ・フェイバリット・フェアリー10  作品一覧

アンチキルケばか詰 6手(受先)
禁欲打歩ばか詰 11手
③禁欲詰 21手  (②と同じ記事内で紹介)
マドラシばか詰 9手
アンチキルケマドラシ協力自玉詰 8手
協力自玉ステイルメイト 8手(透明駒使用) 
推理将棋 13手 
AndernachIsardam協力自玉詰 14手
⑨AndernachIsardam協力千日手 20手  (⑧と同じ記事内で紹介)
Andernach協力自玉詰 62手


 やっと終わりました。
 今確認してみるとこの企画を思いついて、最初に記事を出したのが2018/3/15で。半年ぐらいかかってしまったことになります。
 心待ちにしてくださった(?)皆さん、すみませんでした!!!
 ここに挙げなかったルール以外でも色々がんばってつくっていたりしますので、そちらのほうも今後ともよろしくお願いします。

 何番が良かったとか、このルールはもっと色々できるぞ!とか、そういった感想がありましたら是非コメントしてやってください。よろしくお願いします。
2018/09/30

マイフェイバリットフェアリー10(Ⅷ)

いよいよラストです。ラストは中長編です。

※Andernachのほうは、占魚亭氏によるルール解説がすでにありますのでそちらの紹介に留めます。
Andernach(アンダーナッハ)について(詰将棋おもちゃ箱HP)

⑩Andernach協力自玉詰 62手
(Web Fairy Paradise 79号 2015/1)


2018-09-30a.png

94角 67銀 58銀 同銀成転 59全転 58全 48金 59玉 95角 68全
58金 49玉 68金寄転 67金 58銀 同金転 68金寄 67銀 48金 59玉
67金転 68銀 58金 49玉 59金 同銀生転 58銀 同金転 68金寄 59玉
57金 68飛 58金 49玉 68金寄転 59玉 58飛 49玉 68飛転 67桂
58銀 同飛生転 59金 同桂生転 68飛 59玉 67飛 49玉 77飛 59玉
76飛 49玉 86飛 59玉 85飛 49玉 45飛 67銀 57王 38玉 83角成 56金 まで 62手

(詰め上がり図)
2018-09-30b.png

 中身に触れると長くなってしまうし、結局よくわからないということになりそうなので、OFMの動く盤のページで駒がクルクル変わる手順を眺めていただいたり、意味付けが気になる方はWFPの結果稿(リンク先p19~)を開いて作者コメントや神無七郎氏の解説をご確認ください。

 ざっくりと言うならば、本作はAndernach特有の「不自由さ」を逆手に取ってつくりました。
 互いの位置がこのままでは自玉が詰む形には絶対にならない。そうだとすると自玉を動かす必要があります。そこで飛ノコの筋を思いつくわけですが、単純に飛を転させて発生させてもAndernachのせいで、うまく鋸になりません。どこかで刃がひっかかるはずです。
 その障害物をどう取り除くかが鍵となっています。

 まあ何がともあれ、狭いところで細かくゴチャゴチャやる手順が私は好きなんですよね。
2018/09/21

マイフェイバリットフェアリー10(Ⅶ)

やっと書けるぜ…。
Isardam入門
AndernachIsardam入門

※Andernachのほうは、占魚亭氏によるルール解説がすでにありますのでそちらの紹介に留めます。
Andernach(アンダーナッハ)について(詰将棋おもちゃ箱HP)


⑧AndernachIsardam協力自玉詰 14手
(Web Fairy Paradise 2014/7)


2018-09-20a.png

【協力自玉詰】先後協力して最短手数で攻方の玉を詰める。

 59香、44玉、54金、52香、同王、53香、58桂、54玉、57香、56飛、46桂、同飛転、43王、41飛 まで 14手

(詰め上がり図)
2018-09-20c.png

 ただでさえややこしいこのルールの中でも本作ではさらにややこしい作品。申し訳ない。
本作は玉で玉に王手をかける部分があり、こんなこと良いの?と思った方が多いはず。
 一応の理論としては、5筋敵方の玉はルール上5筋から出られない。つまり5筋から出る方向への利きを持たないと解釈することになりますが、この解釈は議論の分かれているところです。この論理にAndernachは関係しておりません。Isardamだけが関与しています。
 誰発祥の呼び方かは存じ上げませんが、「川中島問題」と呼ばれることが多いです。
 詳しく知りたい方は、WFP作品展担当の神無七郎さんによる、本作の解説等をご参照いただければ幸いです。
 香対は王手になっていなくて、飛対のほうは王手になっているという、この先後の対比が表れている詰め上がりになっていると考えております。

 以下は作品の創作についての話。
自作の自玉系作品でも、「簡素な初形で、珍奇な詰め上がり」を志向した作品は多いです。
その中でなぜ本作を選んだのかと言われると、つなぎがうまくいったこと。これに尽きます。
 メイン部分はそこから作った以上ある程度しっかりしているはず。あとは作品を成立させるときに、如何に間延びを回避し、自然に手を進めるかも重要視すべきだというのが私の持論です。

 本作のような手段で攻方が2枚香を手順中で配置しようと思うと、一番間延びの恐れがあるのは58桂を置くための逆算部分であることは誰が見ても明らかでしょう。
 創作の当初は後手玉を45あたりまで引っ張り込む必要があるとばかり思っていました。しかしそんなグダグダな玉移動のみの逆算を入れてしまうのは、本作の得にならないはず。。
 45に玉を置かなくても、58に桂を打つことができる…。分かる人にはすぐ分かるのでしょうが私はなかなか思いつきませんでした。作品のメインではない以上、枝葉にすぎないことと思われるかもしれませんが、創作中、最も重要な気付きであったと私は今でも思っています。




⑨AndernachIsardam協力千日手 20手
(Web Fairy Paradise 2014/8)


2018-09-20b.png

【協力千日手】先後協力して最短手数で初形に戻す。

28歩 26金 27歩 25金 26歩 48玉 25歩転 26歩 37角 27歩生 19角
37玉 28金 46玉 29金 28歩生 37角 29歩生転 15角 37玉 まで 20手


 これはもう、並べていただくのが一番分かりやすいと思います。
 歩の往復と、それを助ける角や金の動きにご注目ください。

神無七郎氏 解説より一部引用)

 歩の往復とそれを助ける金、玉と角の出入り、これら対称的な手順の集積が結果的に趣向風の手順を創り出す構成は、とても現代的です。



 さて配置のほうですが、24に攻方の駒が無いと簡単なのはお分かりいただけると思います。2枚の飛配置はしょうがないかな。玉が35、55、57に移動できると余詰が生じるので、配置には品切れ以外の意味も一応あります。
2018/09/16

AndernachIsardam入門

 Isardam入門からの続きです。
 Andernachのほうは、占魚亭氏によるルール解説がすでにありますのでそちらの紹介に留めます。
Andernach(アンダーナッハ)について(詰将棋おもちゃ箱HP)

 "AndernachIsardam入門"と書きながら、「これ入門できるルールなのかな…」という疑念が無いと言っては嘘になりますがそれは押し殺して書き続けます。
 書くのが自分でいいのかな?(自分はきちんと分かっているのか?)という疑念も押し殺して書きます笑


 基本的にこのルールはAndernachとIsardamの足し算ということで、2種の規制が同居していると考えて大きな支障はありません。ただ一箇所だけ、概念がかなり変化する部分がありますので、そこだけ押さえていただければと思います。

(ルール再掲)
【Andernach】駒取りを行った駒(玉を除く)は、その場で相手の駒となる。
【Isardam】同種の敵駒の利きに入る手を禁止する。 


Isardam入門の記事でも出てきた図を再掲します。
2018-09-02c.png

 先手が55金と打って、後手が51飛と受けた局面。Isardamルール下では合法手です。Andernachが足し算されたからといって大きな違いは生じません。

次が大切です。
2018-09-16e.png

 先手が55金と打って、後手が35金と受けた局面。Isardamルール単独では合法的な受けですが、AndernachIsardamでは受けになっていません。
 なぜか。

 このまま先手が45金と金を取ったとすると、Isardam単独では先後の金どうしの利きがぶつかり、非合法局面となります。
 しかし、AndernachIsardamでは駒取りをした瞬間45の金は後手側の駒となります。後手側の金が2枚隣接していたところで、非合法な局面ではありません。

 よって、AndernachIsardamで真に非合法なのは、次の局面となるわけです。
2018-09-16a.png
(※59の飛車は関係無いんで気にしないでください)

 IsardamとAndernachIsardam。ここが唯一にして最大の違いです。ご理解いただけたでしょうか。

-------------------

 いろいろ理屈だったりはあるようですが、要するに、「金一枚の利きならば王手だけど、金2枚が利いている場合は王手ではない」という独自なルールに生まれ変わったとも解釈可能ですよね。

 例えばこんなことも可能です。

AndernachIsardamばか詰 7手
2018-09-16b.png

38金上!、28玉!、17金!、29玉、28金、19玉、18金引 まで 7手

ルール独特の応酬が続きますね。(同一図がありましたらごめんなさい)

 この感覚が意外とクセになるのです。面白いです。
 ここで言う「面白い」とは、”発展性がありそう”、”いいものが作りやすそう”という意味の「面白い」でもあります。

 手の自由度が上がることも魅力的です。
 例えばこんなことも可能であることはすぐピンとくるはず。

AndernachIsardamばか詰 5手
2018-09-16c.png

19香 18飛 17香 88飛生 25飛成 まで 5手
 例題としてザッとでっち上げました。わざとらしく、派手にしてみましたけども…
 
 念の為いいますと、最終手17玉はその瞬間に玉に利きがぶつかる香の利きが1枚になるので、利きが復活します(この言い方が正しいかは微妙かも)。

 ここから敷衍して考えると、「(例えば持駒を角角にして、玉位置を調整すれば)受けの手によって、ほぼ任意の地点に駒を配置することが可能」ということになりますね。
 つまり、これからもっとこのルールが発掘されるならば、自玉系の作品でえげつない手順の作品が登場しそうという推測も可能でしょう。
 
 ちょっと自由度が高すぎて、私の手では制御しきれていない部分もありますが笑




折角なので発表作も1つ置いておきます。
 解答はそのうちコメント欄に書きます。該当の詰パラバックナンバーもご参照ください。

Andernach Isardamばか詰 7手(詰パラ 2016/11)
2018-09-16g.png
2018/09/03

Isardam入門

『マイ・フェイバリット・フェアリー10』ですが、残り3作のところで止まっています…。

 なんで止まっているかというと、次が"AndernachIsardam"という、え、何?それ?というルールだからです。
 このまま書いても良いんですけど、分かんない方が多いと寂しいので最初にルールの解説的なことをやります。

------

 "AndernachIsardam"は単一のルールではなく、AndernachとIsardamという2つのルールの複合です。

 なんでこの2つのルールがよく掛け合わされるようになったか?
 歴史的な事情には詳しくありませんが、相性がいいということは作ってみて実感しております。
 つくり続けられている理由というのは、なんとなく分かるということになりますでしょうか。 

【Andernach】駒取りを行った駒(玉を除く)は、その場で相手の駒となる。
【Isardam】同種の敵駒の利きに入る手を禁止する。


 …文章を読んでもよく分からないですね。
 こういう新ルールは実際の作例を見るのが一番手っ取り早い!というのがいつもの持論です。
バンバン紹介していきたいと思います。

 それぞれのルールが分からないと、複合ルールなんて分かりっこないなので、まずは個々のルールについて個別に説明しますが、Andernachは占魚亭氏によるルール解説がすでにありますのでそちらの紹介に留めます。

Andernach(アンダーナッハ)について(詰将棋おもちゃ箱HP)

記事内では拙作も紹介いただきました。ありがとうございました。

 ではこちらではIsardamについて。
 繰り返しになりますが、いきなり複合ルールの理解なんて無理なんで、1つ1つ解決していきましょう。

ルール再掲。

【Isardam】同種の敵駒の利きに入る手を禁止する。
 (ひとまず細則は省略します)
IsardamにはタイプAとBがあり、その区別となるとややこしくなるのでここでは省きます。
おそらくタイプAの作例のほうが圧倒的に多いと思いますので、ひとまずはその路線で話します。

詳細を知りたい方はタイプBの作品を見るのが早いと思いますので、そちらも後々にチェックしてみてください。


 Isardamをマドラシ(Madrasi)を反対から読んだもの。
 ルール自体も反転のようなものになっています(厳密に反対ではないんじゃない?と個人的には思っています)
【マドラシ(Madrasi)】同種の敵駒が互いの利きに入ると、利きがなくなる。

 マドラシについては昔、このブログで取り上げたことがありましたね。
記事一覧へ

 反転というぐらいですから、このルールも同種の駒の利きの衝突が重要なファクターということになります。

 マドラシをご存知な方は、2つのルールを対比されることでよりルールの理解が深まると思いますので、比較しながら例図を見ていきましょうか。

2018-09-02e.png

飛車対が向かい合っている状況。
マドラシではこの状態は「お互いの飛の利きがぶつかることで石化して、両者が動けない状態」と解釈します。
一方、Isardamではこの局面が生じること自体が反則。あってはいけないことになります。

まずはまだ理解しやすいマドラシのほうで話を進めてみます。
マドラシばか詰?

fer.png

 ▲59飛、△51飛という応酬があってもいいでしょう。合法的な受けですよね。
 続けて▲55金などとすれば、両者の飛の利きは復活しますね。

2018-09-02a.png

 よってこの55金は、間接的ながらもれっきとした王手であると理解できます。

では次はIsardamのほうで考えてみましょう。
Isardamばか詰?

2018-09-02b.png

 ここで55金とします。もちろん王手ですね。
 この局面では51飛!という受けが成立します。

2018-09-02c.png

 45金で王様が取れそうですが、そうすると飛の利きがお互いにぶつかってしまう(反則)。
 45金は反則局面を生じさせる禁手と解釈。45金と動かせないならば王手はかかっていない…と理解するのですね。

 同様の理解で、△51飛に代えて例えば△35金も合法的な受けですね。
2018-09-02d.png
 しかし、例えば△44金は利きがぶつかってしまっているので禁手です。

 感じが分かってきたでしょうか。では実際の作例を見てみましょうか。

たくぼん氏 (WFP 2009.8)
Isardam(タイプA)協力詰 11手


2018-09-02f.png

 ここまで読んでくださった方ならば、もうこの初形で「最初から王手がかかっているんですけど!?」と驚くことは無いはず。もちろん初手28角は禁手です。
 今回はシンキングタイムをすっ飛ばして、早速ですが解答を記します。

 38金 17金 37金 39玉 28角 38玉 17角 48玉 39角 57角生 49金 まで 11手

 初手の38金には受けはあるものの(2手目17金がそれにあたります)、最終手49金には受けはありません。なぜならば、後手が合法的に金を打って受ける空間が無いからです。この対比的な展開が面白いですよね。
 ルール特有の着手による駒繰りで玉を移動させる一連の手順が好印象です。