2017/09/09

ばか詰既発表作より

 最近はフェアリーのほう、特にプレーンなばか詰に興味が戻っています。
 その一環で過去の自作も見直したりしていると、ちょっと推敲不足なところが鼻につきます。手を加えられそうなものに手をつけてみました。

徒然草の「能をつかんとする人~…」ではありませんが、私がかけだしの頃、当時の投稿作にGOサインを出したことは全然悪いことではなく、むしろどんどん出せとは思います。思いますが、まあ、至らないところを目の当たりにすると赤面する限りですね汗

  以下に図面を載せます。初めて見た方は是非解答にもチャレンジしてみてください。ばか詰の水準よりかは易しいと思います。飛躍した手は望めません…。

ばか詰 7手 (詰将棋パラダイス/2009年4月) 修正
2017-09-09b.png

 8年前…何歳だよ。
 修正図は名刺にも採用しました。

ばか詰 9手 (Web Fairy Paradise/2013年5月) 修正
2017-09-09c.png

 単純に1枚減りました。
 一番駒数が少ない図が一番良いとは限りませんが、私のつくり方に関して言えば、一番駒数が少ない図にたどり着きそれと見比べないまま投稿してしまったのは良くありません。

 他にも「なんだこの配置は(怒)」と思って色々手を加えたくなった自作はありますが、実際に色々やってみるとやっぱりうまくいかず、ちょうど当時したであろう苦労をそのまま辿る結果になったようです笑
 
 0からの構想力も、読みの力も無い自分が生き残ろうと思うなら、どんな小さな芽でも本腰入れてこだわりぬく道しか残されていないので、今後は初めての投稿で完成・完結させないといけませんね。


 解答や簡単なコメントは近いうちにコメント欄に書きます。
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2016/03/09

クイーン:自作集

 自作をいくつか並べてみました。クオリティは……、うーん。楽しんでいただければ嬉しいのですが。
以下の①~④まで、すべてクイーンばか詰7手です。解答は明日ぐらいにコメント欄に書くつもり。感想などもお待ちしております。

 そういえば、「フェアリー入門」の投稿締め切りは明日までのようですね。クイーンは派手な手順をつくりやすいので、つくる側としてはおいしいルールだと思います。これを機に創作のほうもいかがでしょうか?

Web Fairy Paradise/2012年10月
2016-03-06a.png

Web Fairy Paradise 2015年2月
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詰将棋パラダイス/2014年8月
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④未発表/受方持駒なし
2016-03-06d.png

④は既発表作(http://k7ro.sakura.ne.jp/jTMLView/TMLView.html?../wfp/wfp61-5.xml)の別案のつもりです。53歩配置がどうしても許せなかった……。
 詰め上がり以外、別物っぽいですね。余詰防ぎの駒を取り払ったはいいものの後手に持駒制限をつけてしまっては本末転倒なような気がしますが(汗) 
 持駒制限の代償はあるものの、手順構成、および表現の純度は申し分ない仕上がりになってくれたと思います。というかこれぐらいは欲張れないと、余詰防ぎのためだけの持駒制限を是とする気にはなれません。
2016/03/08

クイーン:演習編

前回の記事:クイーンとは → http://fairypara.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

 試しにクイーンばか詰を解いてみましょう。

加賀孝志氏作 (詰パラ 2015/8)
クイーンばか詰 7手
2016-03-05a.png

 大駒もあり、茫洋とした印象を与える初形ですが…?

 まず王道の手段として、クイーンを四隅のどこかに追い込みたいですね。どこがいいでしょうか?
 角+銀銀でQを詰ませる詰め上がりを想定してみます。様々な組み合わせを想定いただければいいのですが、やはり最も有力なものはこれでしょうね。
 
2016-02-27e.jpg

 銀や角などが3枚あるときには真っ先に思いつく形です。前回の記事でも登場しましたね。
 出題図の初形と上の図を照合してみると、13の銀を馬にする形が最も作りやすそうです。
 駒が成れる利点も考えて、詰め上がりでQがいる地点は91か11あたりだろうと想像できますね。

 86周囲で銀を消費してしまうのはあまりにも非効率的。こう考えると、1,2手目の展開としては、

     68角、31(あたり)Q
     64角、81(あたり)Q 

 ぐらいが自然かなあと思います。見た目より、意外と絞れるものでしょう? 

 後者(左上隅)はQがどうしても筋違いの地点に居着いてしまうことになり、上の詰め上がりを構築しにくいのではないでしょうか。私なら、この段階で正解は前者のほうだろうと当たりをつけてしまっています。

 あとは微調整しながら詰め上がりまで辿り着けばいいんではないでしょうか。
 
解答(白抜き) → 68角 42Q 31銀 12Q 13角成 11Q 22銀打 まで 7手

 機械が読む紛れはとてつもなく多いQばか詰。しかし効率的な解法を身に付ければ、案外苦労することなく解くことができるようですね。

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小林看空氏作 (詰パラ 2013.2)

打歩クイーンばか詰 11手


【打歩】打歩以外の詰みを禁ずる

2016-03-05b.png

 香を詰め上がりで活用すること、歩で詰ませることを考えると、左上隅でQが9筋にいる詰め上がりが濃厚ですね。
 周囲を包囲する駒も不足していそうなので、途中歩以外にもう一枚合駒を稼ぐ必要がありそうです。ここまで想定しながら解図していくと、むしろ普通のばか詰よりスムーズに読めることができるかもしれません。


解答(白抜き)→ 83香生 88銀 同角 71Q 72銀 91Q 55角 82歩 同角生 92Q 93歩 まで 11手


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 多くのQばか詰では、配置がさっぱりしていることも多く(駒を置けば置くほど余詰む)、セオリーとしては素直なものが並んでいるように思います。しかしそれでも、Qのダイナミックな動きが華やかな印象を与えてくれるので悪い気はしませんね。つくる側としては是非ともQの長い足を活かした手順構成を模索していきたいところです。

 次回は自作に少しだけ触れてもよいでしょうか…?
2016/02/27

クイーンとは


 今日はA級順位戦最終局ですね。将棋はからっきしの観る将の私ですが、どんな結果になるのか楽しみです。挑戦者争い同士の対局もあり、残留争いも熾烈で最後まで目が離せません。

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そして記事内容はどんどん将棋と離れていきます(笑)
最近、本誌のフェアリーランドでもクイーンを見る機会が増えてきましたので、今回はクイーンについて話していきたいと思います。
そんなに詳しいわけではないですけど…。


Q(Queen)
チェスの駒。飛車と角を合わせた性能を持つ。


queen.gif

http://k7ro.sakura.ne.jp/rule.html より

 一般にクイーンを詰ませることを「クイーン王ばか詰」と呼びます。
クイーンなのに王(キング)とはこれ如何にと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、おそらくここでの「王」とはロイヤル駒(王手をかけられる存在)という意味でしょう。

 クイーンを詰ませるばか詰は、もちろん普通のばか詰より難しいです。紛れの数が桁違いですからね。そういったイメージもあってルールの登場数のわりに解答者数は伸び悩んでいるような印象を受けます。
 しかし、ある程度の難易度までであれば、実はそれほど苦労することなく解くことができます。そこで大切なのは、やはり詰め上がりを想定することです。
自分なりにポイントとなりそうなところを3つまとめてみました。この3点に留意しながら解図していけば、案外普通のばか詰よりイメージを絞りやすいかもしれませんね。
 
(個人的)クイーン3原則
1)詰め上がりはまず隅を考えよ
2)3方向からクイーンを包むことを考えよ
3)斜め後ろに利きがある駒の使い方


 創作、解答時に私が心がけていることを列挙してみました。順に考えてみましょう。

1)詰め上がりは隅
 11と19は真っ先に詰め上がり地点として考えていきたいところです。次に21、少し劣って12、18、29です。作家として詰め上がりおよび手順を構築しやすいのは概ねこの順かなあと思います。

 クイーンは四方八方に利きを伸ばしている駒ですから、これを詰ませようとするにはまずそれらの利きを遮断する必要があります。例えば都のQを詰ませようとすれば、8方向へ利きが伸びており、これらすべてに対応するのは容易ではありません。中央より端へ、端より隅へ、利きが伸びないような地点に誘導することが大切ですね。

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 相手の壁駒がない無防備なQは、少なくとも3枚の駒を駆使せねば詰みません。
 例えば以下のように。

2016-02-27d.jpg

 3枚の攻駒が、Qの3方向に伸びる利きを止めていますね。最重要テクニックです。

 先ほど21も詰みやすいと申し上げました。実際に一路ずらしてみましょう。
 
2016-02-26b.jpg

 確かにこれでも詰んでいます。こちらのほうが駒効率が良さそうに見えるので、作家的には採用してみたい形ですね。
 
 しかし、調子に乗ってもう一路ずらすと…

2016-02-26c.jpg

 11地点と13地点に逃げ道ができてしまいました。盤端に誘導するだけではQの利きを封鎖しきれないことがお分かりいただけるのではないかと思います。

2)3方向からクイーンを包む

 (1)とほぼ同様なのですが…、手順中のQの追い方に視点を移します。
 今度は19地点で有力な詰め上がりを紹介してみます。

 2016-02-26d.jpg

 こちらです。私ももう本当に何回つかったのか分からないぐらい使っています。
 11に比べ19は詰め上がりのバリエーションが少ない印象があります。既存の詰め上がりに作品が集中してしまう事情は、このあたりにあるのかもしれません。

 上図を頭に入れた上でこんなばか詰を解いてみるとしましょう。
 
クイーン王ばか詰 5手

2016-02-27a.jpg

 17金、29Q、28金、19Q、29金打 まで 5手詰め

 初手および3手目は着手した時点では何故その地点に金を打つのか分かりにくいものですが、詰め上がり図を想像しながら、逆算法で考えていけば至極当然の封鎖網と考えることができます。どこに追い込んで、どうやって抑えこむかを念頭に置いて攻めていけば、読みの負担をかなり軽くすることも可能でしょう。
 逆算法は最終手をある程度予想できる点でもとても有用な解図法だと思います。

3)斜め後ろに利きがある駒の使い方

 11地点のQを攻駒3枚だけで詰ませる詰め上がりをいくつか、思い浮かべてみてください。




 ……いかがでしょうか?
 1つ挙げるとすれば、こんなものでしょうか。これも有名な詰め上がりですね。
2016-02-27e.jpg

 どんな詰め上がりを考えていただいても結構なのですが、銀か角、あるいは龍、馬といった、斜め後ろにも利きを持つ駒を1枚は使いませんでしたか?
 
 そうなのです。斜め後ろに利きのあるような駒がなければ、11-19のラインを封鎖する駒に紐をつけることができないのです(逆に、19地点では金2枚ほどさえあればそれほど労せず詰ませることができます。(2)での図の通り。)
 きっと詰め上がりの探索をする上で意外と役立つ知識のはず。


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 では早速次の作品を解いてみましょう。
 (いつも佐々木さんの作品の紹介ばかりになってしまいます。それだけ、氏が基本に忠実に創作していらっしゃるということなのでしょうね)
 
佐々木寛次郎氏作 (詰将棋パラダイス/2014年11月)

クイーンばか詰 9手

2016-02-26a.jpg

 ここまで記事を読んでくださった方なら、きっと解けるはず。
 
 ではまず詰め上がりを想定します。まあ、十中八九11での詰め上がりでしょう。初形の時点で包囲網の基礎がある程度固められていると判断できるように思います。
 
 金4枚。斜め後ろに利きはありません。よって11-19のラインを封鎖するためには、1筋に金を重ね打ちする必要があるだろうと思われます。(そう考えると、初形配置の14金は不動で、持駒の金は13に打つかとどめかのどちらかだろうと、ここまで絞れます)。
 順々に考えていけば、以下の詰め上がり予想図に辿り着くのは容易だと思います。

2016-02-27c.jpg
 
 こんな感じですね。
 あとはこの図に到達するように、逆算と順算を駆使しながら解いていけばいいと思います。

↓解答は白抜きです。

 22金寄 41Q 31金 42Q 33金 12Q 13金打 11Q 22金左 まで 9手
2015/12/08

二歩禁(2)

  二歩禁(1) 
  ツイン


↑を先に読むといいかもしれません。

■二歩禁(2)

 1つの決定版を紹介いたします。

 とはいえ作者である占魚亭さんのブログからの引用ばかりになってしまいました。

【背面】 ある駒Aの直後に相手の駒Bがある時、AはBの動きになる。1段目の桂香歩、2段目の桂も行き所のない駒にはならない。
【ばか詰】 双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【利き二歩有効】 玉を取ると二歩になる手を王手とみなす。
【利き二歩無効】 玉を取ると二歩になる手は王手とみなさない。


20151202211353.jpg


以下答えを書いてしまっているのでご注意ください。









 (A)56歩、54玉、55歩、56桂、44歩、同玉、43歩生まで7手。

 まず(A)のほうからいきましょう。
(A)のほうは先打動歩詰としての王道の展開。当然ながら、初手から44歩、同玉、43歩としてしまっては打歩詰ですね。

 図1のように、トドメの歩を一旦盤面に控えておくのが深謀遠慮の戦略となります。
2015-12-07d.jpg


 (B)は出色の出来と言っていいでしょう。

 (B)56歩、44玉、64歩、54玉、55歩上、56角、44歩まで7手。

 4手目△54玉が利き二歩無効を活用した宙ぶらりんの応手。玉を詰みやすいところへ誘導します。

2015-12-07e.jpg

 以下は利き二歩無効を鮮やかに解消しての終局。視界が開けるような感覚です。
 
2015-12-07g.jpg

 誰しもが一度は考える、2枚龍での詰め上がり。こうも綺麗に決められては脱帽するしかありません。

あまりに端正な初形から、背面ルールを活かした充実の手順で、これを完成品と呼ばずして何を完成品と呼ぶのか!素晴らしい作品だと思います。

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 さてここからツインの話になります。

 本局の出題法は明らかにツインを意識したものです。さて問題の2種の解について比較してみると、それぞれ全く別物で、手順そのものに比較する場所はないように思われます。
 では本作はツインとして失敗作で、どちらか一方、例えば(B)だけで出題したほうが良いのでしょうか?

…確かに少しはその方向性も考えましたが、やはりツインでの出題のほうに軍配が上がるかな、と判断しました。
 何故か。

 今回は利き二歩有効/無効の判定によってそれぞれの唯一解性、独立性が確立されています。要するに(A)の条件が(B)の手順を制限し、(B)の条件が(A)の手順を制限しているから、両者は唯一解となっているのです。ここに私は両者の関連性と対称性を感じました。

 図再掲

(A)〔利き二歩有効〕の途中図
2015-12-07d.jpg

 作意はここから44歩と王手しますが、これは(B)の条件下では王手になっていません。よって(B)ではこの手順を再現できないことになります。

(B)〔利き二歩無効〕のほうはわかりやすいです。
2015-12-07e.jpg

 この図での54玉は、(A)の条件下では合法手でないことは明らかです。やはり(A)ではこの順を再現できません。



 ただ私は非常にひねくれています。物凄くいやらしく考えると、
 
 ルールが違うんだから手順が違うのは当たり前じゃないか
→ルールも違い、また手順にも関連の見いだせないものを並べてツインと呼べるのか?

 とも言えるかもしれません。実際少し考えました 確かに今回、両者ともルールが違います。ただ、ただこのルールの違いは背面ルール全体で言えばごくごく僅かな差であるはずです。
 世にあふれる背面ルールの作品は、利き二歩の解釈どちらを採用しようとと、手順に何ら関係のない作品が99%を占めます(当社比)。つまり両者はほぼ一緒の条件と言えるのです。その上、図面自体は全く同じですし。違うのは二歩の扱いだけ。
 
 そんな枝葉末節のような一行のルールが、全く同一の局面である(A)と(B)の間で相互の抑制関係を成立させている。

 冷静に考えると、これはかなりスゴイことだ。同じだからこそ浮き彫りになる違い、まさしくツインの醍醐味そのものじゃありませんか。詰将棋の自然美がここにはあるように感じられます。だから本作は、ツインでいい!ツインがいい!