2017/03/21

「教材に使えるフェアリー作品展」出題!!!

 昨日は第3回とり研でした。めっちゃ楽しかったです。
 詳細はまた近いうちに上げますのでちょっとお待ちください…。




「教材に使えるフェアリー作品展」出題!

 創棋会さんの『ネット作品展「教材に使える10手台」』に触発され、完全に乗っかりで始めてしまった「教材に使えるフェアリー作品展」。なんと18作ものご投稿がありました!作者の方々は以下の11名(アイウエオ順、敬称略)です。
 青木裕一、尾形充(3作)、神無七郎、神無月生、久保紀貴、高坂研(3作)、占魚亭(2作)、変寝夢(2作)、ほっと、Pontamon(2作)、山路大輔
 おかげ様で盛況となりました。ありがとうございました。
 凄いメンバーですよね。

 本日発行のWeb Fairy Paradise(以下WFP)最新号に掲載されています。

 易しく、そして明快な狙いの作品が多く寄せられ、フェアリーらしさを存分に楽しめるラインナップになっているのではないでしょうか。また今作品展がWFP初登場の方もいらっしゃいます。これからもWFPで名前をお見かけすることができればとても嬉しいなと思っています!
 
 フェアリー初解答も歓迎いたします(ルールが多く大変かもしれませんが、1つ1つの作品単位で見れば、たぶん解きやすいほうだと思います。オススメです)。「今までWFPなんてみたこともない…。」なんて方も、この機会に是非WFPを覗いてみてはいかがでしょうか。
 
 作品数が多いのでお早目に取り組みください。
 全作解けなくても解けた分だけで構いませんので是非ご解答をお送りください。よろしくお願いします!

【解答締切】5月10日
【連絡先】上谷:tsumecontact☆gmail.com (☆を@に)

 出題図一覧、解答要項はWeb Fairy Paradise最新号をご確認ください。
WFPのページ
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2017/02/21

ブログ作品展結果④

■「諸事情で投稿できない?フェアリー作品展」結果
 (1)アンチキルケばか詰 5手
 (2)アンチキルケばか詰 7手
 (3)アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)
 (4)アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)




「諸事情で投稿できない?フェアリー作品展」④の解答です。

【マドラシ】同種の敵駒が互いの利きに入ると、利きがなくなる。

【アンチキルケ】
駒取りがあったとき取った方の駒が、最も近い将棋での指し始め位置に戻される。

[補足]
戻り方等は以下の細則に従う
1) 成駒は成ったまま戻る。
2) 戻り位置に駒がある場合は戻らずに通常の駒取りをする。
3) 駒取り時、駒が戻るまでを一手と見なす。
4) 金銀桂香(成駒も含む)が5筋で駒取りを行い、複数の戻り先候補がある場合、戻る位置を選択できる。片方にのみ戻れる場合は強制的にそちらに戻る。


おさらいは
 マドラシ → マドラシ鑑賞
 アンチキルケ → アンチキルケ入門(たくぼんさんのページ)

④アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)
 2017-01-06b.png

【手順】
a)49銀、59玉、69飛、61飛、62金 まで5手詰
(詰め上がり図)
2017-02-19b.png

b)39銀、49玉、59飛、51飛、58金 まで5手詰
(詰め上がり図)
2017-02-19c.png

【解説】
 初っ端から横道にそれますが、まずはマドラシ特有の着手の一例を示したいと思います。
2017-02-19a.png

 12と32の飛の利きがぶつかっているので、両者の利きは消失しています。
 ここでの22金!が飛の利きを復活させる両王手。同玉とは取れないのもポイントです。
 自分の駒の石化を解除するかっこいい決め手のようで、是非ともマドラシ作品の最終手にもってきたいと誰もが思うはず。
 しかし22金の局面では同飛の受けが残っているのでダメなのです。22金で石化が解除するのは相手の飛車も一緒なのですね。上の例で示したように、一般的にマドラシ作品では「石化を解除する手」が最終手になることはありえません。

 さて本作ではどうでしょう?a)でもb)でも石化を解除する手が最終手になっています。先ほどの話では、同飛と取り返す応手があったはずですが…?
 ここでアンチキルケルールの登場です。a)、b)いずれでの金打ちにも、同飛の応手が残っているようですが、この飛はアンチキルケルールによって82飛地点へと戻されてしまい、先手飛を石化できないため王手外しになっていないのです!
 アンチキルケを付加することで、「石化解除の手」を最終手に持ってくることが可能になっているのですね。

マドラシ単独でも、ちょっと工夫すれば石化解除の手を最終手にすることが可能になります。さて、それはどんな方法でしょうか?

 以下a)b)それぞれの手順を簡単に解説します。どちらの手順でも限定打が出てきますが、それらはいずれもアンチキルケルールによって限定されています。

a)詰め上がり図再掲
2017-02-19b.png

 6筋に飛を打ち合います。
 4手目△51飛は直後の▲52金を成立させるための限定打。この金打は、6手目69玉/51玉(=玉が69で駒を取って初形位置の51へ戻ることを示す)という「玉座への帰還」を阻むアンチキルケならではの手です。

b)詰め上がり図再掲
2017-02-19c.png

 こちらは5筋に飛を打ち合います。

 4手目△51飛は後手玉の復活位置を封鎖するための一手です。
 将棋版アンチキルケのルールでは、上で示した通り「2) 戻り位置に駒がある場合は戻らずに通常の駒取りをする」ことになります。
 よってこちらの手順での金打は59の飛に紐をつける58地点が正解になります。詰め上がり図を比較すれば、金打の位置の対比にも気付いていただけるかなと思います。

 いずれの手順でも後手飛の最遠打が出てきて、しかもその双方全く別の意味付けになっているというのはちょっと珍しいかもしれませんね。 

[投稿できなかった理由]
 この初形に同一作があるわけではないんですけど、a)b)それぞれ単体の手順ならば「ばか詰裸玉 絨毯爆撃」(神無太郎さんのホームページ http://2nd.geocities.jp/cavesfairy2/profile/)に収録されています。
 結局本作は上のページにある2つの詰将棋を1つの局面にまとめただけということになってしまいます。そうなると本作が新作と言えるのか非常に怪しい気がしてきたので投稿を断念。

【短評】(敬称略)
たくぼん-最終手の金打位置の対比がこれは見事。

占魚亭-銀の打ち場所の違いが最終手に影響を及ぼす。
bの手順の方が勝るかな。

☆bは49銀のほうの手順。意味付けによる高級感はこちらのほうが勝りますか。

高坂研-「何故、最終手で打った駒に対してマドラシの受けが利かないのか?」と延々悩む。そこに気付いてからも、今度は「マドラシ状態を切断した駒を取り返せば、またマドラシ状態に逆戻りするのでは?」と思って更に悩む。バカですねえ。
 解けてみれば、確かに2解は対になっている。一列ずれたエコーといったところでしょうか。

☆「マドラシ状態を切断した駒を取り返せば、またマドラシ状態に逆戻りするのでは?」とのことですが、ここがマドラシだけでなくアンチキルケもつけなければならなかった一番の理由であるところなので、そこを考えてくださったのはとても有難いです。
 正直に言いますと、「エコー」の定義が分かっていません…汗 なんとなく意味は分かるのですが。こっそり教えてくださいますと嬉しいです!




【総評】(敬称略)
たくぼん-懐かしい味を十二分に堪能しました。アンチキルケばか詰作品展をまたやってみたくなりました。

☆アンチキルケばか詰作品展からはたくさんの傑作が輩出され、当時私は「こんな面白いものがあったのか!」と驚いたものです。私のフェアリー初挑戦&初投稿の場所となったのも必然でした。
 次回開催も期待ですね。

変寝夢-2はそんなに簡単と思いませんでした。このルールは協力詰だと余詰やすい印象があります。3,4もチャレンジしてみますね。

☆3の解答も頂戴しました。

高坂研-何とか解けたものの、結局最後までアンチキルケ脳にはなれずじまい(笑)。
でも、奇妙な詰上りの数々には随分と刺激を受けました。
どれも面白かったですが、やはり4が一番私好みかな。

☆ありがとうございます!!




 以上で今回のネット作品展の解説を閉じたいと思います。解答者の皆様、ありがとうございました!
 またこの記事をきっかけにアンチキルケやマドラシに興味が湧いた方が少しでもいらっしゃったらいいなと思っております。ネット上の傑作たちはもちろんのこと、これからの詰パラやWFPもチェックしていただけたら幸いです。
 
2017/02/17

ブログ作品展結果③

■「諸事情で投稿できない?フェアリー作品展」結果
 (1)アンチキルケばか詰 5手
 (2)アンチキルケばか詰 7手
 (3)アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)
 (4)アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)



 「ばか詰で最強の駒は金である」と前に話したような気がしますけど、マドラシではかなり弱い駒になってしまいます。石化させる受けが常につきまといますからね。
 逆に最強の駒は成駒です。金は持駒から出せますけどと金は出せません。
 マドラシルールの詰将棋ではまず成駒を作る手順を読んでみて損はなさそうです。

 逆につくる側からいえば、成駒での詰め上がりは一見普通のばか詰と変わらない、マドラシらしさに欠けるような印象を与えかねないので、できれば避けたいところです。余詰筋としてはよくお目にかかります。
 逆に言えば、成駒をつくれないような構図を取ることがマドラシ創作で余詰を出さないコツと言えるでしょう。

--------------

「諸事情で投稿できない?フェアリー作品展」③の解答です。

③アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)
 2017-01-06a.png

 マドラシ → マドラシ鑑賞
 アンチキルケ → アンチキルケ入門

【解説】
 2解で出題したからにはその2解には関連性や対照性があるということです。そうでないなら一緒に出題する意義にハテナマークがつきます。本作はどうでしょうか。
 
 さてマドラシ条件なので角や香などでトドメになることは考えにくいです。馬をつくることになりそうです。その上でアンチキルケルールでもありますので、51地点に利きをつくることも必要ですね。
 この2つを満たす手順は、例えばこんなものがあるでしょうか。

[作意順?]33角、66角、55香、14玉、24角成?

 なんだか初手も2手目も非限定に見えます。ばか詰では非限定=余詰だったはずですが?
 …もちろん、非限定ではありません。相手角を発生させてしまったせいで、最終手に57角成!という受けが発生しています。馬と馬での石化ですね。

 本作のテーマは後手に馬をつくらせない2つの手段です。どうすれば57角成のような受けを消すことができるでしょう?この疑問が解答に至るヒントとなります。

 解の1つを示します。
a) 33角、99角!、55香、14玉、24角成 まで5手
 
 最遠打が出てきました。8の10なんて座標はありませんので最終手への受けが無いのですね。
 このように、盤端を利用して「駒の動きを制限するための最遠打」を極めて簡潔に表現できるのもフェアリーの魅力の1つです
さてもう1つの解もこの近傍にありそうです(そういうふうにつくりますのでね)。
初手が非限定のように見えると書きました。そして33角のほうに一解がありましたので、もう1解は42角~53香のほうに隠れていると考えるのがツインの考え方です。

そしてもう1解。
b) 42角、64角、53香、14玉、24角成 まで5手
 
 2手目が地味ながらも限定打。離して打つとやはり6手目に馬をつくる受けが生じます。
 実はこちらの解のほうが作者好みだったりします。少数派?

 このように、2つの解で後手に馬をつくらせない手法を2つ提示しました。1つは最遠打、もう一方は近打となっており、この対比が狙いだったのです。
 
 4手目からが全く同一に進むのは珍しい構成でしょうか…?

【短評】(敬称略)
たくぼん-最終手が99角なら行き場が無い、64角なら成れないという対比が面白い

変寝夢-初手が一マス違いなのに2手目がエライ変わってくるのですね。特殊ルールというと打歩ばかりに目が行きがちですが、可成地域を1?3段目と設定した人も偉大と思いますよ。
☆お互い自陣が3段ってロックマンエグゼみたいですよね(変な喩え)
エリアスチール可能な将棋とか面白そう!?とか適当なことを言ってみたり。

占魚亭-頭3手の違いがミソ。

-2手目は非限定と思いきや、角成で馬の利きを消す手で限定なのですね。

高坂研-マドラシの受けが成立しない場所が2ヶ所あるという訳か!
2017/02/11

ブログ作品展結果②

■「諸事情で投稿できない?フェアリー作品展」結果
 (1)アンチキルケばか詰 5手
 (2)アンチキルケばか詰 7手
 (3)アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)
 (4)アンチキルケマドラシばか詰 5手(2解)
 



「諸事情で投稿できない?フェアリー作品展」②の解答です。

②アンチキルケばか詰 7手
 2017-01-06d.png
 
 29桂、28玉、73角、37銀、同桂/29桂、18玉、27銀 まで7手詰

【詰め上がり図】
2017-02-10b.png

【解説】
 4題中もっとも素直な作品。手段はアンチキルケならではですが、合駒を稼ぎ、その合駒で詰ませるオーソドックスなばか詰です。

 51地点に利かせる73角はアンチキルケ頻出の限定打です。
 5手目同桂/29桂が「居食い」と呼ばれる手筋で、さながら桂が不動のまま駒を取ったような見た目からその名が付いています(アンチキルケ入門第4回参照)
 
 むしる合駒が金でも飛でもないのはちょっとだけ意外だったかもしれません。
 紐無しの駒で包囲するふわふわした詰め上がりはアンチキルケ特有ですね。

 本作を投稿できない理由は特にありません。ありませんが、普通に採用レベルに達してなかったみたいです。まあそりゃそうか。

【短評】(敬称略)
たくぼん-居食いの筋は慣れたら一目ですが、27銀で詰んでいるのには確認が必要でした。

変寝夢-居食いになかなか気づかなかった。中長編の仕掛けに発展するかもね

占魚亭-銀を出すのがポイントですね。

ぬ-なかなか解けなかったので、アンチキルケ入門で勉強したら、あっさり解けました。銀合は少し意外。
☆私もアンチキルケ入門で学んだ口です。

高坂研-このままだと足りないとは思いつつも、所謂「居喰い」で持駒を増やせることになかなか思い至らなかった。

 みなさんの短評でも「居食い」の言葉が目立ちます。
 居食いを利用した他の作品としてはアンチキルケばか詰作品展第1回9番などがありますね(リンク先参照)。

2017/02/10

ブログ作品展結果①

第3回とり研参加連絡(早いと嬉しい)
かしこなフェアリー解答(3月5日まで)
「教材に使えるフェアリー作品展」作品募集
(3月15日まで)
 待ってます。



 結果に入る前にごくごく簡単にアンチキルケルールについて説明(不要な方は読み飛ばしてもらって構いません)。

【アンチキルケ】
駒取りがあったとき取った方の駒が、最も近い将棋での指し始め位置に戻される。

[補足]
戻り方等は以下の細則に従う
1) 成駒は成ったまま戻る。
2) 戻り位置に駒がある場合は戻らずに通常の駒取りをする。
3) 駒取り時、駒が戻るまでを一手と見なす。
4) 金銀桂香(成駒も含む)が5筋で駒取りを行い、複数の戻り先候補がある場合、戻る位置を選択できる。片方にのみ戻れる場合は強制的にそちらに戻る。


 アンチキルケの基本中の基本は51地点を押さえること。
2017-02-10a.png
 上の図はアンチキルケでは詰みではありません。12玉/51玉という棋譜表記が示すとおり、(駒を取る→初形の地点に戻る)までが1手ですので、ここで12地点に利きがあるかどうかは詰みに全く関係がありません。
 先手は13ではなく、52に歩を打つべきでした。玉が駒を取る地点ではなく、玉がワープする地点を押さえるのが肝要です。




 さて「諸事情で投稿できない?フェアリー作品展」ですが、なんと6名もの方からご解答がありました!

解答到着順に
 たくぼんさん、ikironさん、変寝夢さん、占魚亭さん、ぬさん、高坂研さん(太字は全解者)

 フェアリーで、ブログで、しかも複合ルールありの作品展としては大盛況です!
 ありがとうございました!

 意外と縦長になったので4題4分割の結果稿にしました。

①アンチキルケばか詰 5手
 2017-01-06c.png
19香、同角成/22馬、11飛、12馬、13飛 まで5手詰
 
【詰め上がり図】
2017-02-10c.png

【解説】
 以前の記事でも、「ばか詰では不成より成のほうが妙手になりやすい」と書きました。本作はアンチキルケならではの意味付けで玉方の成を達成しています。
 2手目19角成/22馬(駒を取って初形位置に戻るまでが1手)がそれ。4手目12馬を達成するための角成です。初形から詰め上がり図まで、結局角(馬)の13地点への利きは消えません。しかし5手目13飛だけは同馬と取り返すことができないのです!同馬の瞬間、22馬と初形地点に戻ってしまうせいで飛筋が通ってしまいますね。
 このような詰め上がり図はアンチキルケならではのもの。創始者にちなんで「北村手筋」と呼ばれています(アンチキルケ入門 第5回を参照)。
 
 初期の頃の既発表作の修正なので投稿は憚られました。

【短評】(敬称略)
たくぼん-13飛の筋は見えにくかったです。

ikiron-手順を尽くして13同角(馬)を消す。はじめ15同桂の方を消そうとして苦労しました。
面白い手順と思います。
☆「とりあえず一題だけですが、忘れないうちにコメントしておきます。」とのことですので、今からでも他の作品へのコメントも是非!笑

変寝夢-2手目桂バージョンなどもあるかと思ったが、戻る場所が1段目になっちゃうんだね

占魚亭-11飛の前の仕込みが大事。4作中のベスト。
☆ありがとうございます!

-詰上りが見えづらかったです。これで詰んでいるのですね。

高坂研-脳が5手目の局面を詰上りと認識してくれるまでしばらくかかった。
同馬だとself checkなのね。


 敢えて駒を重複させていく感じが伝わっていれば。