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2020/06/12

透明駒+禁欲の可能性

 立て続けに投稿(するつもりがいつの間にか時間が経っていた)。
 引き続き透明駒の話題です。
 
 つい先日紹介した『Web Fairy Paradise 第143号』ですが、透明駒の出題も充実しております。高坂さんはもちろんのこと、馬屋原さんもWFPに本格参入。やっぱり要チェックですよね。

 あ、あと私の新作も採用いただいております。ルールは禁欲と透明駒の複合。おそらく初めての組み合わせでしょう。
 
 というわけで例題をいくつか用意しました。WFPに掲載いただいた例題も掲載しておきます。
 "透明駒+禁欲"の雰囲気が伝われば幸い。WFP作品展のヒントになるかもしれないし、ならないかもしれない。
 作意と解説は一番最後にまとめて載せております。
 クレジットがない作品はここが初出です。すべて上谷作です。

 自力検討なので、余詰等あったらごめんなさい。

①禁欲協力詰 3手(1+0)
 ※協力詰=ばか詰

2020-06-01d.png

(1+0)の表記は、攻方に透明駒が1枚、受方に0枚透明駒があることを示す。

②禁欲協力詰 3手(0+2)

2020-06-01h.png


③禁欲最善詰 3手
 2020年5月 『Web Fairy Paradise 第143号』 WFP作品展 例題

2020-06-01f.png


【最善詰】攻方は受方がなるべく早く詰むよう王手を掛け、受方はなるべく詰まないよう応じる。
[補足]
・いわゆる普通の詰将棋から枝葉(無駄合概念や、駒が余るかどうかで手順に優劣を付ける規則)を取り除き、攻方最短を義務化したもの。攻方最短・受方最長のみが正解で、長手数の余詰は不問。
(WFP作品展登場ルールのまとめ より引用)



 WFP最新号に例題として掲載いただいた作品。詳細はリンク先12pをご参照ください。

④禁欲協力自玉詰 4手(1+1)

2020-06-01g.png

【協力自玉詰(ばか自殺詰)】先後協力し、最短手数で攻方玉を詰ませる。
※自玉詰なので、攻方の透明駒は玉であることは分かる(詰ませる対象が存在しないと問題として成立しない)。地点は不明。


----

解答、解説

① 19香、同玉、29金 まで3手詰
 2020-06-01e.png

 19香に対して、禁欲(駒を取らない応手を優先)なのに同玉と着手できるとはどういうことだろうか。すなわち、2手目に駒を取らずに玉が逃げる手は存在しなかったことが情報として与えられるわけだ。
 攻方の1枚の透明駒はなんだろう。38の馬(玉)、2筋の飛、29の香…色々な可能性がある。
 最終手29金を指すことで攻方透明駒が29香である可能性は消失する。3手目の局面で攻方の透明駒が何であるかは判明しないが、少なくとも全ての可能性で29地点に攻方駒の利きがあるのは間違いない。よって詰みと断定できる。

② 38龍、28と、-X まで3手

 3手目-X。初形時点では攻方は王手をかけられるような透明駒は持っていなかったはず。すなわちこの透明駒は受方から奪った駒だ。いつ取ったんだろう?と時系列を遡ってみると初手が駒取りだったことになる。
 駒を取らない王手を優先せねばならない禁欲条件でも駒を取れる。そんな初形であったと考えねばならない。
 本作の場合、可能な初手は27龍と38龍の2通り。
 38龍が駒取りであるとすれば、27地点にも受方透明駒が居なくてはならない(駒種は不明)。すなわち、初形で先手が選べる手がすべて駒を取る手であれば、いくら禁欲といっても駒を取る手を選ぶしかないというわけだ。
 
 27地点は埋まっているため、最終手-Xは29地点の王手しかありえない。これを取り返せるような透明駒は出払っていることも証明されている。よって詰み。

④ 29飛、17玉、-X、18龍 まで4手
 
 3手目-X。初形時点では攻方は王手をかけられるような透明駒は持っていなかったはず。すなわちこの透明駒は受方から奪った駒だ。いつ取ったんだろう?と時系列を遡ってみると初手が駒取りだったことになる(2回目の解説)。
 しかしこれは妙だ。攻方は初手に37飛という手も指せたはず。②とは異なり、受方の透明駒は1枚だけなので、37にも29にも受方駒があるとは考えられない。29飛が駒取りならば37飛は駒取りではないことになる。それでも29飛を優先をしなければならない状況とは何だ?

 ここで自玉の存在を考えてみる。
 そう、29の駒が自玉に王手をかけていれば37飛は指せない(王手の解除が優先される)ことになる。

 王手をかけている受方透明駒と自玉位置の組み合わせは、
(ア)自玉:56~92 / 29の受方透明駒:角(馬)
(イ) 自玉:19    / 29の受方透明駒:横に利きを持つ駒 なんでも

 ア、イのどちらか。
 どちらの初形配置であったかは4手目に判明する。

2020-06-02a.png

 3手目Xに対し、最終手18龍と応じた。これにより3手目が角打である可能性が消える。
 よって(イ)に決定し、自動的に自玉は19に確定する。
 さらにいえば初形で29地点にいた受方透明駒が成香に決まる(3手目が香打ちと解釈しないと、4手目には16玉を優先しなければならないため)。ここまで気付かれた方はきっとかなり透明駒に向いているタイプであるはずだ。
 
 
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2020/06/02

Fairy TopIX 2019

 もう1つご挨拶が遅れました。
 先月20日 『Takubon's詰将棋』様にて『Web Fairy Paradise 第143号』が発行されました。毎年5月のWFPといえばFairy TopⅨ。ネット発表のフェアリー詰将棋の表彰がある月ですね。
 ありがたいことに今年は短編部門にで2作、自作が受賞いたしました。皆様、ありがとうございました。
 
 自作以外にもたくさんの作品が掲載されていますので是非一度ご確認ください(上のリンク先61p~)。

 ちなみに受賞した自作2つはいずれも透明駒使用の協力詰(ばか詰)になっておりますので、未見の方はもし良かったらご挑戦ください。「透明駒なんて知らないよ!!!」「透明駒のルールを再確認したいな」という方はこのあたりの記事を再チェック。


 上谷直希 2019/11 第117回WFP作品展 協力詰 5手(透明駒使用)
 透明駒 攻方2枚 受方2枚


2020-06-01b.png

→ 結果稿掲載号リンク 

 上谷直希 2019/8 第114回WFP作品展 協力詰 7手(透明駒使用)
 透明駒 攻方0枚 受方2枚

2020-06-01c.png

 ※受方持駒なし(少なくとも可視駒は無いという意味)

→ 結果稿掲載号リンク 
2019/12/13

透明駒ことはじめ1手3手【かしこ編】

 透明駒ことはじめ1手3手のかしこ編です。
 ばか詰のときと異なり玉方が抵抗してきますが、透明駒を双方うまく利用して手を紡いでいる感覚はばか詰のときと大きく変わりません。
 透明駒の基本的事項はばか詰編から学べることが多いと思いますので、未読の方はそちらを先に確認いただくのをオススメいたします。

※ここでの「かしこ」とは"ばか詰の場合と異なり玉方が抵抗するルール"のことを指します。最善詰、詰将棋いずれも包含する概念(総称?)として利用する方もいらっしゃいます。
 コンセンサスが無い呼称かもしれませんが通りが良いので使用しました。
 なお、本記事は「かしこ」の呼称内容がメインの話題ではありませんので、今回は軽く流します。


 まあ、要するに以下の作例は「透明駒が存在している以外はすべて普通の詰将棋」と理解ください。よって透かし詰めも可ですし、その他のルールも普通詰将棋に準拠します。
 透明駒として説明すべきことはあらかた前記事で説明してしまったので、今回の作例は少なめです。かしこの3手以内に何かしらをまとめるのが難しいともいえる…?

 まず出題図だけ置きます。もっと下にスクロールしたら解説があります。

注1:全て上谷直希作です。クレジットが無い図に関してはココが初出です。
注2:出題図の(N+M)といった表記は、攻方に透明駒がN枚、受方に透明駒がM枚あるという意味です。


 また、余詰や非限定などの不備、類作・同一作等ございましたらご連絡ください。対応いたします。

【出題】
①詰将棋 1手 (1+0)
2019-12-13a.png

②詰将棋 3手(0+1)
2019-12-12a.png

③詰将棋 3手(1+0)
 初出:透明駒はじめてガイド 当ブログ
rereere.png

④詰将棋 3手(0+1)
2019-12-10b.png

ヒント:ばか詰編の⑫と比べてみてください。

【以下、解説】




① -X まで1手詰

 この初手。駒種も着手地点も分かりませんが、どこからのどんな手であっても受けはありませんのでこれで詰み。
 さて、本図がもしばか詰1手詰だとどうなるでしょうか?ばか詰では無駄合の概念がないため22合や21合といったいわゆる手数稼ぎでしかない合駒も有効合と判断されます。よってこの図がばか詰ならば1手では詰まないと考えなければいけません。
 本図は普段の詰将棋解図と同じように考えればいいので、上記のような合駒は無駄合と判断できます。
 
 ……この理解であってますよね?あってるはず……。

② 19飛、-X、29桂 まで3手

 初手は19飛の一手。受方はこの飛車を透明駒で取って王手解除したいのですが、この飛を取り返せる透明駒の可能性が存在しないことがお分かりいただけるでしょうか(もし初形配置を99飛ではなく89飛などとしてしまうと2手目同Xが可能になってしまい不詰図となります)。

 よって受方は抵抗できるといっても2手目同Xと宣言できません。他の手で抵抗することになりますが、単純に18歩合などでは-Xで即詰みです(同手数駒余り)。ばか詰編の⑤で予習済の手筋ですね。
 3手目に-Xと宣言させないために、相手は「透明駒は初手で取られていない!なぜならば受方である私が2手目に使っているからだ」と主張します。2手目-Xはそんな意味合いの手でした。以下は29桂までで詰み。相手の透明駒がもう1枚あれば同Xと取り返せるのですが生憎透明駒は使い切ってしまいました。18地点の透明駒はピンされていて身動きがとれないのは明白ですね。

③ (A)52銀打、(イ)同金右、72銀成 まで3手
※左右対称解も正解です

 そういえばまだ開き王手の作例を出してないなと思い提示。
 以下コピペ

 初手52銀打に対して後手はどちらかの金で取り返すしかありませんが、どちらの金で取ったかを確認してから、どっちの銀で開き王手を行うか決めるのがミソ。(イ)同金左ならば32銀成まで。
 先手が所持している透明駒は1枚。飛(or龍)の存在を銀の開き王手で主張するにしても左右どちらか一方でしかできないわけですが、相手の応手(同金右?or左?)を見た上で開き王手の左右を決定する"後出しジャンケン"によって左右どちらの開き王手パターンにも対応可能となるわけですね。
 「透明駒は1枚だが、右にもいるし、左にもいる……?」という錯覚に陥ること間違いなし!?
 
※(A)72銀成、61合、52銀打では、同金右と対応してくれたならば作意と同様の詰みですが、当然同金左とされて詰みません。作意順と比べてみてください。




ヒント:ばか詰編の⑫と比べてみてください。
 →解説編 

13歩成、-X、22とまで3手 

 ばか詰編の透明玉では"玉位置を特定しないことには始まらない"場合が多く、⑫ではそのために歩不成が登場しましたね。
 ただ本作で初手13歩生をするとどうでしょうか?玉位置は特定され透明駒ではなくなりますが、だからこそ受方は23玉と明確に座標を指定して上部に逃げられてしまいます。
 本作の場合は歩成が正解。玉位置が特定されていない(透明性が剥げない)ので2手目は-Xとするしかありませんが、畳みこんで22と。
 初手も3手目も王手となる合法的な玉移動は12→11しかないことをご確認ください。本作は"初手で玉位置を確定させるのに確定させない"のが狙いでした。

 宿題:最終手22馬でも詰みでしょうか?
    答えはまた後でコメント欄にでも書きます。

 この"敢えて玉位置を特定しない"狙い。多くの前例があります。より発展させた名作もあるので、また何かの機会にご紹介できればと思っています。
2019/11/30

透明駒ことはじめ1手3手【解説編】

出題編はこちら
-------------------------

【透明駒ルール】高坂研氏 「透明駒をはじめから(1)」より引用 
         ↑入門記事としてオススメです。

(1) 出題図は合法な局面である。また、双方の着手はすべて合法である。(即ち、双方とも将棋及び詰将棋のルールは守っている)
(2) 先手の透明駒の着手は必ず王手である。
(3) 存在する場所と駒種の両方が判明すれば透明駒は可視化され、それ以降は普通の駒として扱われる。
(4) 詰上りの判定においては、透明駒に対し可能性のあるすべての駒種を代入して、それらが全て詰みを与えるときのみ詰んでいると見做す。

更に、透明駒が透明である故に、以下のことも自然な要請として入ってきます。

(5) 透明駒の着手について、
  a) どの枡への着手なのか
  b) どの駒種の着手なのか
  c) 成ったかどうか 
  は表記できない。
(6) 持駒の表記が「なし」であっても、透明駒が持駒になっている可能性はある(つまり、この「なし」は、「駒台に可視化された駒はない」という意味である)。



また、透明駒の着手を『-X』と表記する場合や、『-I』(Invisible)と表記する場合の両方がありますが、どっちかに決まっているわけではありませんのでとりあえずここではXのほうの表記法を採用します。
 (私自身もどっち使えばいいか分かっていません)

【以下解説】
注1:全て上谷直希作です。クレジットが無い図はココが初出です。
注2:出題図の(N+M)といった表記は、攻方に透明駒がN枚、受方に透明駒がM枚あるという意味です。


【協力詰(ばか詰)】先後協力して最短手数で受方の玉を詰める。

①ばか詰 1手 (1+0)
2019-11-30b.png
  -X まで1手詰

初手は透明駒を使うしかなく、たとえば+12(透明駒が12地点の桂を取っての王手という意味)としてもいいかもしれません。しかしこれは同玉と取り返されて失敗。

 作意順は-Xまでの1手詰。駒取りでない透明駒の王手は23桂の可能性しかありません。そしてこの王手で即詰みとなっています。
 この桂馬は、盤上の桂が跳ねたのか持駒の桂を打ったのかは分かりませんし、どちらかに確定するわけではありません。ただ、どちらでも詰んでいるのは変わりませんので決めなくてOKです。初めての方には不思議な感覚かも。

【Q and A】

Q:本作の解答の表記は『-X』ではなく『23桂』ではないのですか?
A:-Xとなります。
 透明駒が透明駒でなくなる(以下「可視化される」)のは、地点と駒種が分かってから。着手前の状態では透明駒の情報は何も分かっていませんので、Xとしか言いようがありません。
 本作の場合、初手透明駒の王手!と宣言した後で透明駒が可視化されるのです。ただ、それさえ理解していれば 『-X(23桂と判明)』といった表記法はアリかも。現在、厳然たる表記法の決まりは存在していないので、伝われば何でもいいと思います。


 
②ばか詰 1手 (1+0)
 初出:フェアリー時々詰将棋『透明駒はじめてガイド

2019-11-30c.png
  -X まで1手詰

①と異なりX=23桂とは限りません。それ以外の王手候補もたくさんありますが、そのいずれの着手でも詰んでいるので1手詰と判断できます(逆に言えば、1つでも詰んでいない王手がある場合は不可です)。
 ただ、1つ困るのはX=12歩打の着手に関する解釈でしょうか。結論を言えば「Xと指せた以上この手は合法なので、非合法な着手である可能性(12歩打etc)は自動的に排除される」という論理になります。

『透明駒はじめてガイド』該当部分より引用)

→すべての可能性が残っていると考えると、出題図(0手目の時点)ではX=持駒の歩の可能性は当然加味される
→初手-Xとする
→局面、手順の合法性を守るため、X=持駒の歩の可能性が消去される
 という、時系列的には逆立ちした論理展開が生じます。
 この”逆立ち”感が透明駒作品の特徴で、ここが面白いのですが、なにぶん分かりにくいため入門の妨げとなりやすいのが泣きどころです。



 詳細についてはリンク先をご確認ください。

③ばか詰 1手 (0+1)
2019-11-30m.png

 11金まで1手詰

 受方に1枚透明駒があり、これは攻方の王手に対して適宜対応できる受駒として機能してきます。例えば初手31金では同Xと受けられてしまいます。1段目の飛車か、あるいは他の駒(金、銀、角、各種成駒などなど)なのかは分かりませんが、ともかく透明駒に取り返されてしまいます。
 では作意順の11金はどうでしょうか?周囲を駒に包囲されているので、11金を取り返せる合法的な透明駒が存在しません。即ちこの形は、受方がたとえ10枚ぐらい透明駒を持っていても1手詰なのです!

 金を右から打つのか、左から打つのか?同じようでも全く違うのでした。
 
④ばか詰 3手 (1+0)
2019-11-30f.png

 12と、同飛、-X まで3手詰

 ①、②の場合と異なり初手-Xは12金と対応され詰みません。ここで受方は、「初手は12への駒打or移動でした」と自分に都合のいいように解釈しています。
 上記の手順を防ぐため作意順では事前工作として12地点を埋めておきます。そうすれば-Xの可能性は①の場合と同様23桂のみとなりますね。
 
⑤ばか詰 3手 (0+1)
2019-11-30f.png

※透明駒が(1+0)から(0+1)になっています。

 12と、同飛、-Xまで 3手詰

 ④と形も一緒。棋譜表記も一緒。でも中身は微妙に違います。
 攻方は透明駒を持っていないはずなのに、3手目で使っているのはどういうことでしょうか?これが理屈として通る手順を考えます。

3手目に攻方が透明駒を使った
→初手12金は実は駒取りだった


 こう考えるしかありませんね。別の言い方をすれば、「攻方は3手目-Xと宣言することで、逆算的に初手を駒取りに決めた」ことになります。透明駒おなじみの「時系列が逆立ちした論理展開」ですね。ここが面白い!?

 それにしても相手の透明駒を減らして自分の透明駒を増やせるこの筋の強力さといったら!
 ドッジボールで外野の人が相手の内野に当てたときみたいですね。

⑥ばか詰 3手 (1+0)
2019-11-30e.png

 +99、21玉、22金まで3手詰

 「+99」は、透明駒で99の駒を取ったという意味になります。
 ちなみに、この図で99の駒を取って11の玉に王手できる駒は馬しかない(角だと合法な局面が存在しない)ので、初手を宣言した瞬間に透明駒の地点と駒種が確定し可視化されます。 
 
⑦ばか詰 3手 (1+0)
2019-11-30g.png

 -X、21角合、-Xまで3手詰
 
 2手目を指すことで、初手が飛か龍の王手であったと決まります。
 その上で3手目にXとできるのは龍だけですね。即ち31龍(or飛成)~22龍という手順であったと判明します。

[紛れ]
 -X、22歩合、+22では21玉とされX=角と主張されます。

⑨ばか詰 3手 (2+0)
2019-11-30l.png

 -X、33飛合、-Xまで3手詰

 守備駒が強く、22地点や12地点への攻めはうまくいきません。
 2手目、敢えて飛合をすることで3手目を23地点への着手に絞り込むことができます。やたらX=23桂までの詰め上がりが続きますがこれはわざとです(統一感があるかなと)。 

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⑩ばか詰 3手(0+1)
初出:自分なりの透明駒の門戸 (WFP91号 38p~)
2019-12-11a.png

 17香、–X、25 金まで 3手

 16地点を埋めたら1手詰だなぁ…、という感覚は普通のばか詰のときと一緒。
 ③の解説を読んだ方ならば、だからといった17香、16歩合、25金ではダメなのはお分かりでしょう。
 
 以下リンク先より引用

A「2 つぐらい疑問があるんだけど」
B「どうぞ」
A「17 香に対しての –X ってつまり 17 香に対する考えられる応手すべてが候補としてあるってことでしょ。それなら 16合以外にも透明駒で 17 の香を取った可能性もあるんじゃないの?」
B「透明駒の挙動についてね。確かにそうなんだけど、その両者だと視覚的に同一じゃないから、区別されるね。」
A「?視覚的に同一??どういうこと?」


 ここまでコピーして「長ぇな」と思ったので詳細はリンク先をご確認ください。
 上記のように会話調で進むので読みやすいかなぁと。

⑪ばか詰 3手 (0+1)
 初出:Web Fairy Paradise91号 
2019-11-30j.png

 61金、+61(同X表記も可)、42銀まで3手詰
※左右対称解(初手41金~)も正解。

 受方の透明駒の防御力は③で予習済です。本作では透明駒の位置を確定してしまって、そこから届かない位置に銀を据えて詰みとなります。同じようでも3手目52銀ならば透明駒に取り返されてしまいますからね。

 透明駒の駒取り表記については、2019/11現在色々な表記が混在していて悩ましいです。そのうち統一された何かに決まるかもしれませんが。
 
⑫ばか詰 3手 (0+2) ※難しめ。
2019-11-30k.png

 13角、22飛合、41飛まで3手詰

 22地点を埋めたいので初手は第一感。2手目-Xとしたら透明駒の戦力を1枚分減らせそうですが、受方は2枚透明駒を持っているので削ぎ切れません。
 ここでヒントを思い出します。

ヒント:41飛としたいところ。もし41の飛を透明駒に取られるとしたら、その駒種は何?
 答 → 飛か龍しかありません。51や42の金や馬だとしたら非合法な初形となるからです。


 つまり、透明駒が飛や龍でないことさえ証明してしまえばいいのです。飛を品切れにする(可視駒として2枚消費してしまう)ことで、透明駒の種類は分からないけど、少なくとも飛・龍ではないことが確定した局面をつくることができました。

 余談ですが、③と同様、この図は受方透明駒の枚数がたとえ10枚以上でも関係ないですね。1枚だと余詰がありますけど。

⑬ばか詰 3手 (0+1)
2019-11-30a.png

ヒント1;詰ます対象の玉が見えません。つまり玉が透明駒になっているのです!
    適切な王手で玉がどこなのか特定してみましょう。
ヒント2;透明駒は、存在する地点と駒種がともに判明すれば可視化されます(駒種はすでに玉で確定している)。判明した後は普通駒として使えることを利用しましょう。
 
 53歩生、51玉、52金まで3手詰。

 ヒント2を読めば初手は発見できたのではないでしょうか。初手を指した瞬間に後手玉の位置が確定し透明駒ではなくなるので、2手目から普通の玉と同じ使い方ができるのです。
 同じようでも53歩成では玉位置が確定しないので透明玉のまま扱うしかなく、2手目の表記は-Xとするしかありません。これでは52金としても詰んでいるか分かりませんね。

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⑭ばか詰 3手 (0+2) ※応用です。腕試し的。
2019-12-01a.png

 91角生!、-X、28角成まで 3手

<他の作品より難しいので詳しめに書きます>
 玉位置が確定しないことには詰みそうにありません。手が絞れそうな順を探します。初形の飛角があからさまにバッテリーの配置なので、開き王手を主張したいところ。しかし例えば初手73角成(生)では玉が18地点の他、62や51地点にいるかもしれないので透明性を剥がせません。ヒネって91角成でも、81や92地点の可能性が残ります。
 作意順の91角生!はどうでしょうか。この角自体が王手をかけられる玉位置は存在しないことをご確認ください。そうなると初手は開き王手しかないことになり、晴れて18地点の玉が確定します。
 初手を指した瞬間、相手玉は透明駒ではなくなります。よって2手目の-Xはもう1枚の透明駒と判断できます。この駒種は分かりませんが、28地点への合駒であるのは間違いありません。あとはこれを28角成と取れば詰みです(3手目の表記は『同角成』のほうがいいんですかね?)。
 確認いただいた通り、本作は透明駒余りとなる作品です。ちょっと不思議かもしれませんが、2019年現在のルールでは透明駒余りが認められているので完全性に問題はないと考えています。

 「そうは言ってもなんだか気持ち悪いなあ。透明駒を0+1にして2手目を29玉とかにできないの?」と思われるかもしれませんが、それは2手目28歩合などがあり不成立です。

 とまあ、最後に派手めなのが1作あってもいいかな!?って感じの出題でした。
 ルールのじゃなくて中身の話をすると、不成~成のオマケ付けの最短スイッチバックになったのはラッキーだったなと思います。シンプルにできたのでちょっとお気に入り。

--------------------

いかがだったでしょうか。透明駒特有の雰囲気がなんとなくでも伝わればいいなと思います。

 透明駒の世界はまだまだ広大ですので、詰パラ12月号の出題はもちろんのこと、WFPやプロパラもチェックしてみてください。
他にも入門記事が読みたい!という方には透明駒はじめてガイドがオススメです。
2019/11/30

透明駒ことはじめ1手3手【出題編】

 ご無沙汰しております。
 さて、月末ということで詰パラ12月号がそろそろ届いている頃でしょうか。12月といえば短コンも楽しみですが、今年は透明駒10周年の記念作品展も開催とのこと。
 
 透明駒の露出が増えるのは喜ばしい限り。さらに欲を言えば、もっと多くの方に透明駒の魅力を知っていただき、ご解答いただきたいところ。そんな気持ちで入門用の記事をそれなりに色々書いてきたのですが、やはり文章では分かりにくい部分もあると思います。やはり実際の易しめな作例をたくさん見てもらうのが一番分かりやすいはずと思い、いくつか用意してみました。

 本当に1手と3手のばか詰しか載せていません。意図的に紛れを減らしたりしているので是非ご挑戦を。透明駒の"感じ"がなんとなく伝われば幸いです。

 透明駒のルールについては『透明駒はじめてガイド』をご参照ください。
 「リンク先を読んだけど文章ばかりでよく分かんねえぜ!」って方は、作品解説verの記事もすぐ上げますのでそちらをお待ちください。
 たかが1手3手と侮るべからず。ある程度の手筋はここを読むだけで網羅できるはず!?

注1:全て上谷直希作です。クレジットが無い図に関してはココが初出です。
注2:出題図の(N+M)といった表記は、攻方に透明駒がN枚、受方に透明駒がM枚あるという意味です。


 また、余詰や非限定などの不備、類作・同一作等ございましたらご連絡ください。対応いたします。

【協力詰(ばか詰)】先後協力して最短手数で受方の玉を詰める。

①ばか詰 1手 (1+0)
2019-11-30b.png

※ここでいう「持駒なし」とは"可視駒はない"という意味ですので、透明駒は持駒にいるかもしれませんし、盤上にいるかもしれずどちらかは分かりません。

②ばか詰 1手 (1+0)
 初出:フェアリー時々詰将棋『透明駒はじめてガイド』

2019-11-30c.png

③ばか詰 1手 (0+1)
2019-11-30m.png

④ばか詰 3手 (1+0)
2019-11-30f.png

⑤ばか詰 3手 (0+1)

2019-11-30f.png

⑥ばか詰 3手 (1+0)
2019-11-30e.png

⑦ばか詰 3手 (1+0)
2019-11-30g.png

⑧ばか詰 3手 (1+0) 余詰により欠番。また他の図で埋めます。

⑨ばか詰 3手 (2+0)
2019-11-30l.png

-------------------------------------------

⑩ばか詰 3手 (0+1) 
初出:Web Fairy Paradise 91号
2019-12-11a.png

⑪ばか詰 3手 (0+1)
 初出:Web Fairy Paradise91号 
2019-11-30j.png

⑫ばか詰 3手 (0+2) ※難しめ。
2019-11-30k.png

ヒント:41飛としたいところ。もし41の飛を透明駒に取られるとしたら、その駒種は何でしょう?

⑬ばか詰 3手 (0+1)
2019-11-30a.png

ヒント1;肝心の詰ます対象の玉が見えません。つまり玉が透明駒になっているのです!
    適切な王手で玉がどこなのか特定してみましょう。
ヒント2;透明駒は、存在する地点と駒種がともに判明すれば可視化されます(駒種はすでに玉で確定している)。判明した後は普通駒として使えることを利用しましょう。

⑭ばか詰 3手 (0+2) ※応用編です。後回しがオススメ。
2019-12-01a.png

---------------------

解説編はこちら