『果し状』が届きました

感想
04 /29 2016
 詰パラは届きませんでしたが、「果し状」は届きました。




 上の写真の通り、素晴らしい装丁です。中身も全200作とボリュームたっぷりで、本の厚さもなかなかのもの。半世紀の重みを感じます。


 「果し状」というタイトルの書籍ではありますが、作者と解答者の真剣勝負!といった難解な作風ではないように見受けられました。作品の多くが盤面10枚以内で、さっぱりとした簡素図式や実戦型が多数を占め、手順は軽快そのもの。それこそ詰キスト以外の指将棋派の方々にも安心しておすすめできるのではないでしょうか。
 
 かといって詰キストには物足りない手順ばかりかというと、もちろんそんなことはありません。簡素な初形、軽快な手順であってもきちんと主眼の一手が準備されています。職業作家の立場からの出題作からも、詰将棋作家としての矜持を汲み取ることができるように思いました。

 ほんの少しだけ作品を紹介。

「簡素図式」 第8番

2016-04-29a.png

 それぞれの部分を見れば確かによくある手順なのかもしれません。しかし合駒の変化中の好手、銀不成の二段活用などに「楽しい手順を提供したい」という意思が感じられますし、雑誌や新聞の出題作として消費されてしまうような詰将棋とは一線を画していると思います。

「伊藤果詰将棋珠玉編」上 第20番

「伊藤果詰将棋珠玉編」上 第20番


 心理的妙手を散りばめつつ、軽快に収束します。意外性がありながらも、少しも嫌味なところがない。見ていて気分が良いですね。
 特に香車の活用法が印象的です。本作に限らず、香の活躍が目立つ作風と言えるでしょうか。


 まだまだ好作はありますが、とりあえずここまで。
 大満足できること請け合いの一冊。買えばいいと思います(ダイレクトマーケティング)
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Web Fairy Paradise 第94号 感想

感想
04 /22 2016
 臨床実習はそれなりにしんどいですね…。
 WFPの感想はいつもどおりわかる範囲で。だんだんその範囲が狭くなっているというのは、つまり日に日に置いてけぼりになっているということです。怠慢!
 
WFP94号 → http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP94.pdf

■WFP作品展 
・出題

 神無太郎氏1題、変寝夢氏6題です。計7作といつもよりは少なめですね。手をつけやすいとも言えるでしょうか。

・結果稿
 Grasshopperはややこしい!!次回のフェアリー入門でも取り上げられることもありますし、注目のフェアリー駒ですね。

 Imitator。ルールは分かったけど、やっぱりわからん!

 「ややこしい」やら「分からん」やら言ってて情けないような感想しか出てこなくて申し訳無い。思考放棄は悪い癖だとは重々承知しているのですが…。

■強欲な世界 パート6
 構成に様式美を感じます。

■Fairy of the Forest #47
 課題は「玉が動いて王手」。出題は4作です。全作で持駒制限を使っているのが興味深いところです。双玉と協力系の相性がそのあたりに関係しているのではないかなと推測しています。
 それにしても、神無七郎さんは長手数を生み出す新鮮な構図を毎回生み出されていて、すごいなあ……。

■Fairy TopⅨ2015投票要項

 Fairy TopⅨとはウェブサイトで発表されたフェアリー詰将棋・推理将棋・プルーフゲームを対象にお気に入り投票を行い、上位作に授賞するものです。Fairy TopⅨ2015 は 2015 年にウェブサイトで発表された作品の中からお気に入り投票によって選らばれます。


 
 締め切りは5/10まで。詳しくはFairy TopⅨ2015 お気に入り投票要項から。
 候補作一覧もリンク先にあります。

 全作を見通していないと投票できないわけでもありませんし、「お気に入り」投票であるので、厳密に良し悪しを比較しないといけないわけでもありません。1つのルールしか分からなくても、短編だけ/推理将棋だけといった1部門でも投票することができます。多くの方に投票してもらって、このイベントが賑わっていけばいいなあと思います。

 かく言う私も全体の理解が追いついていないのに投票しております。でも今年は投票数がものすごく少なくなりそう。不感症なのか、怠慢なのか……。多分後者ですねえ。

■解答・投稿募集
・解答 

 5月締め切りの第 81 回 WFP作品展と強欲な世界 PART7はいずれも15日までです。

・作品募集一覧
 フェアリー版くるくる展示室
 第4回フェアリー入門(グラスホッパー使用の作品)
 WFP作品展

 詳しくはWFPでご確認ください。

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 新規参入、心から願ってますm(_ _)m

5手ばか詰の手筋(6)

5手ばか詰
04 /15 2016
第6回:取らずの手筋

 今回はただ自作を取り上げるがための記事だからか、なんだか急にニッチな筋になりましたね(笑)
 
 取れる駒を敢えて取らない筋は、意味付けによっては普通詰将棋でも実現可能です。

 ばか詰 5手

2016-04-15a.png

解答(白字)→ 13歩成、11玉、22と、同歩、21角成 まで5手詰


 3手目にいきなり21角成とすると同飛とされてしまうので、21歩を取らずに22に移動させて飛筋遮断を維持させます。
 
 このように普通詰将棋でもできる意味付けをばか詰でやっても、まあいいのでしょうけどやっぱり物足りません。せっかくならばばか詰でしかできない意味付けでつくってみたいものです。
 そのように考えて(?)できたのがこれ。

ばか詰 5手 (Web Fairy Paradise作品展 2015/11) 

2016-04-15c.png

 結果稿 → http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP92.pdf
 鑑賞室 → http://k7ro.sakura.ne.jp/jTMLView/TMLView.html?../wfp/wfp78-10.xml
 

解答(白字)→ 43飛不成、45金、同飛成、同飛、35金 まで5手詰

 神無七郎氏の解説から一部引用させていただきます。

「取れる駒を取らない」は江戸時代から詰将棋では人気のテーマでした。
もちろん意味付けは普通詰将棋のそれとは異なります。
本局で駒を取らないのは、逆にこの駒で取って貰うため。
そうでないと、金合を取ったときに玉が逃げざるを得なくなります。
玉は今の位置に居て貰った方が良いので、守備力を強化する手順を敢えて選ぶというわけです。


 
 創作起点は、「逃げ場所をつくるため」とはまた違った不成の意味付けの発掘でした。合駒をさせる余地をつくるため両王手を敢えてしないように攻めます。ただそのためには初手42飛成や41飛成ではダメな理由を構築せねばならないわけで、そこでひねりだしたのがこの筋だったというわけ。

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 上の作品のように、ばか詰でしかできない意味付けはまだまだあるはずです。皆様も是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
 
 では最後に蛇足ながら他の例を。

 ばか詰 5手
2016-04-15b.png


解答(白字)→ 85龍、75馬、65桂、同玉、55金 まで5手詰



 馬を取るような移動合いもできるところ、敢えて移動中合にすることで3手目65桂を空振りにさせます。これで65に逃げるための空間をつくれたわけですね。

 ……ちょっと違うかな?

 

欲張っていこう

強欲
04 /12 2016
 禁欲から一転、今度は真逆の強欲です。

【強欲】駒を取る手を優先して着手を選ぶ。
【禁欲】駒を取らない手を優先して着手を選ぶ。

 それぞれのルールを見比べれば、ちょうど裏表の関係性であることがわかります。ではそれぞれ同じ程度の強さの縛りであるのかというと、実はそうでもありません。強欲のほうが良くも悪くも手順構成に制約があるんですね。だって普通の詰将棋だったら、駒取りなんて積極的に入れる手じゃないし!

 強欲詰は、駒取り過多のかなりアンバランスな手順となってしまう危険性を孕んでいるのです。禁欲はかなり自由に手を進めることができるのに対し(ただし余詰みやすい)、強欲は自然な逆算を入れづらいなあ……というのがつくってみたなかでの率直な感想です。強欲詰では、アイデア勝負の短編といった感じの仕上がりを目指すことになってくるかもしれません。
 
 はじめなので、軽いテイストのものを紹介していきます。といいましても、基本このルールでは捨駒だらけになるので重くなりにくいのですがね(笑)

WFP(Web Fairy Paradise) → http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/wfp.html

強欲詰 7手 (2015/11 WFP作品展)
2016-04-11b.png


※強欲ルールが課せられている以外は普通の詰将棋。

(A)24桂、13玉、(B)41角成、24玉、(C)33角、同玉、13飛成 まで7手詰

 WFP作品展鑑賞室 → http://k7ro.sakura.ne.jp/jTMLView/TMLView.html?../wfp/wfp78-11.xml

 普通詰将棋ならば(A)32角成で13歩、24桂、11玉、13飛成などで簡単に詰みますが、強欲ルール下では紛れ中の13歩に同飛を強制されて逃れです。
(B)32角成では以下24玉、33角、同銀としてやっぱり駒取りを強制されます。
 かしこなので透かし詰めもOK。

 狙いは離して打つと移動合で逃れる例の筋で、(C)42角では(打合なら作意順と同じになるけど)33銀の移動合で脱出されます。「駒取りの手を残さない」ための短打と言えますかね。地味ながら一応このルールならではの意味付けにはなっています。

 同じ意味付けで、遠/近を双方表現できた点が気にいっています。
 本作のようなフツーのフェアリーももっと市民権を得てほしいと思っているのですが、これは少数派意見のようです。残念。

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強欲詰 13手 (2015/5 WFP作品展)
2016-04-11c.png

16金 14玉 (A)26桂 (イ)同飛生 15歩 13玉 25桂 同飛 14歩 同玉
25金 13玉 12飛 まで 13手


(イ)同飛成では以下15歩、同龍(強制)、同金、同玉、16飛まで早詰
(A)15歩では以下作意順と同様に進み25桂のところで同飛「成」と対応され、14歩に同龍で逃れ。

 WFP作品展鑑賞室 → http://k7ro.sakura.ne.jp/jTMLView/TMLView.html?../wfp/wfp73-3.xml
 
 いわゆる成生打診。打歩に絡めずともできますね。簡素図にできたので悪くないんじゃないかと思っていましたが、収束がえらく不評でした。如何に飛車を取るかが主題になっているから、作意順でも取っていいだろうと思ったら甘かった。

詰将棋解答選手権

普通詰将棋
04 /10 2016
 昨日は詰将棋解答選手権の初級戦・一般戦でしたね。

 詰将棋メモ解答選手権速報ブログ等を拝見する限り、今年はどの会場も盛況だったようですね!!!スタッフの方々の努力もあってこその結果だと思います。このイベントを機に、将棋ファンの方々にも詰将棋の魅力が伝われば嬉しいですね。

 初級戦・一般戦の出題作は今日速報ブログに掲載されました。







 昨年に比べると易しくなったでしょうか。あまりに解けないと辛いですもんね。

 自作も採用されていました。初級戦⑤です。試験前ではあったものの、SSさんにおだてられてはつくるしかない笑
 ちょっぴり個性的な狙いの作品なんじゃないかと思うのですが…?

 投稿用紙にも書きましたが、初級戦に挑戦される方は主に将棋ファンのお子さんで、例えば詰パラなどとは解答者層もかなり違ってくるでしょう。頑張れば解けるぐらいの難易度を心がけたうえで、なにか実戦のための詰将棋を解くときとは異なる経験を持って帰ってもらえたらいいなあと思っています。

 チャンピオン戦も含めて、特集記事や書籍が楽しみですね。
 

2016.1 詰パラ小学校5

普通詰将棋自作
04 /04 2016
2016-04-03a.png

65銀、同桂、94飛、84角、74銀不成、(イ)62角、63銀上成 まで7手詰


 5手目成ってしまうと54玉から45へと脱出されます。銀不成は(イ)54玉に65飛成を用意していたのですね。
(イ)75玉にも65飛成。85銀配置はこの変化のためといった趣の配置ですが、初手75銀や3手目74銀生同玉75飛~といった余詰筋も消しています。
(イ)同玉でも84角成迄。どうやっても駒が余るように思えるところで、唯一駒が余らないのが作意順となります。創作中は、変化をすべて1手詰で駒余りにするのに苦労した覚えがあります。

 創作の起点は両王手できるところで敢えてしないというアイデアです。そうすることで、合駒が動くことを心理的にカモフラージュできるのではないかと思いました。また5手で合駒をライン外に動かす手順は多数の全例があるでしょうが、その合駒が紐無しとなっているものはなんとなく珍しい気がします!?手順としては銀の往復に注目していただければ幸いです。

詰パラ 4月号

感想
04 /02 2016
今月はめちゃくちゃ早く来ましたね。嬉しい限りです。

■出題
 表紙といい、全体的にさっぱりした初形の作品が多いような印象。もちろん中身が一番大切だけど、見た目も大切ですよね。
 それにしても、毎月どんどん新人さんが入選していて喜ばしい限りですね。自分の場合、入選するまですごく時間がかかったので……、同時入選なんて、夢のまた夢で……。 私と違って、飲み込みが早いのでしょうね笑
 フェアリー界にも来てほしいなあ!!!!

■半期賞
 発表されましたね。大方、予想通りといったところでしょうか?
 特に高校や短期大学。構想作や重厚な作品ももちろん評価されるべきですが、今回の受賞作のような作風もきちんと評価される別け隔てない環境はいいですね。
 それと小学校。今の時代、5手詰での半期賞はかなりの難関と思います(5手詰で評点2.7以上なんて取れるんだろうか!?)誇るべき栄誉ですね。

■ちえのわ雑文集

 新連載!鈴川さん大活躍ですね!
 これからたくさんの方の投稿が見られそうで、楽しみですね。
 ネタがあったら自分も投稿していいのかな?笑

■果し状
 予約受付初日に予約しました。お金があろうとなかろうと、本は財産だ!

■結果稿
 小5を予想以上に評価していただいてビックリ!ありがとうございますm(_ _)m
 こんな評点が出るとは…いやあ本当に驚きました。
 驚いたといえば小3の誤解者数もなかなかの数でしたね。確かに金打ちの変化は見えづらい。そして作者さんもおっしゃっていましたが、山路作との類似が指摘されていない?のも意外でした。一流作家の方々は、同じ時期に似た発想に思い至るのかもしれませんね。


 結果稿全体で見ると、デパ2や段位特別認定9、高3あたりが好みでした。


■フェアリーランド
・出題

 今月はキルケで登場です。普段私は意識的に、WFP投稿作よりは軽めの作品をFLに投稿している(投稿先の住み分け?)のですが、それが災いしてかFLの自作は軽い仕上がりばかりの作品での登場になってしまっている傾向があるかもしれませんね。たまにはガッツリといってみたほうがいいのかな?アイデアがほしい!

・結果稿
 「2解は短評が書きにくい」という意見はなるほどと思いました。2解にそれぞれa,bと名前とつけるとしても、果たしてどちらの解がaなのか、人それぞれになってしまいますからね。これでは手順に言及しにくい。なにかいい解決法があればいいんですが…。

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自称フェアリストです