2018/03/16

マイフェイバリットフェアリー10(Ⅰ)

前回の記事の続き。

 【アンチキルケ】駒取りを行った場合、駒取りをした駒は最も近い初期位置に戻る。
 細則の説明については意図的に割愛。
 詳細な説明はたくぼんさんのアンチキルケ入門を参考にしてほしい。

 【受先】受方から指し始める。

[受先の例題]
 
 ばか詰 2手(受先)
2018-03-16a.png

 29銀成、18金打 まで

 通常のばか詰では攻方から手番が始まる。また攻方の手には王手義務があり、王手の連続で最終的に詰みなどの目標を達成することになる。
 受先形式の問題ではその攻方の手の前に受方が王手義務にとらわれない自由な手を1手指すことになる。
 通常のばか詰をN(Nは奇数)手詰だとすると、受先はN+1手と表記することになるわけだが、そんな事情もあり別名「偶数手ばか詰」とも呼ばれることもある。

さてマイ・フェイバリット10のほうに入っていこうか。

①アンチキルケばか詰 6手(受先)(詰将棋パラダイス/2009.11)

2018-03-16c.png

41角、16歩、同金、11飛、14角、25金 まで6手

 発表年が2009年。多分中3ぐらいだったかな。前回話していた通り、アンチキルケばかりやっていた時期の作品。
 
 初手の意味は単純明快で、金の復活地点を封鎖するため。復活位置を埋めておけば、3手目同金としても41金と初形地点に戻ることはない。金に戻られてしまうと、のちの11飛で51地点をカバーするときに邪魔になってしまう。
 ともあれ、41地点の角も邪魔であることに変わりはない。5手目14角のスイッチバックが気分の良い手で、これで51地点に利きをつくることができた。よって25金で詰み(この金を取ると玉は51地点に戻ることになるが、これは王手解除になっておらず禁手)。 
 アンチキルケのルールを読めば1段目が最も重要な場所になるであろうことは誰でも分かる。そこで開けたり閉じたりすりゃ作品になるだろう、とシンプルにまとめたのだと思われる。

 「これだけ前置きしていたわりには軽い作品だなあ」という印象は拭えないかもしれない。これを大作と呼ぶつもりは無い。結局自分は背伸びしない小品が好きで、それは今も昔も変わらないのだろう。
 
 大切なのはそのルールの魅力に忠実に、素直につくること。
 それができていれば、完成した作品の難易度はあまり関係ない…。そうであってほしいというのは個人的な願望だけど…。

------

(余談)
 せっかく受先の話題を出したので。
 受先の作品では、当然ながらその最初の1手が主眼になるようにつくるべきなのだが、昔の自分はひねくれたことを考えた。  
 「その1手が無いとすぐ詰むのに、その1手を指す義務のせいで詰みにくくなる」ようなものはつくれないだろうか?
 これは中学生のころから抱えていたネタだけど、ずっとほったらかし。

 ばか詰 2手 (Web Fairy Paradise/2015.1)

2018-03-16b.png

 ※後手持駒:香4

 先手番ならば99飛の1手詰。
 現行のばか詰は透かし詰め不可ではあるが、後手の持駒は香だけ。打つべき合駒が無いので透かし詰め不可であろうと応手が無く詰み。
 
 受方の最初の手はこの1手詰を邪魔しない地点に香を打つだけで良いのだが、9×9の空間があって、作意で邪魔にならない地点は1つだけなのが狙い(というか、そうでないと唯一解にならない)。

 作意:18香、99飛まで2手

 他の地点では何かしらの不都合が生じることを確認いただければ。

 中学生のときの私をどうやらこれを持駒制限なしの環境でやりたかったらしい。 
 受先作品で手番をテーマにした作品は、私の知る限りすべての作品で受方持駒制限がかけられている。そうしないと「作意に影響しないような実質1手パスの手」を絞り込みきれないからだ。

 というわけでみなさん全駒でこのテーマをやってみませんか?
 ……久しぶりに自分でも考えてみるか。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント