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2020/06/12

透明駒+禁欲の可能性

 立て続けに投稿(するつもりがいつの間にか時間が経っていた)。
 引き続き透明駒の話題です。
 
 つい先日紹介した『Web Fairy Paradise 第143号』ですが、透明駒の出題も充実しております。高坂さんはもちろんのこと、馬屋原さんもWFPに本格参入。やっぱり要チェックですよね。

 あ、あと私の新作も採用いただいております。ルールは禁欲と透明駒の複合。おそらく初めての組み合わせでしょう。
 
 というわけで例題をいくつか用意しました。WFPに掲載いただいた例題も掲載しておきます。
 "透明駒+禁欲"の雰囲気が伝われば幸い。WFP作品展のヒントになるかもしれないし、ならないかもしれない。
 作意と解説は一番最後にまとめて載せております。
 クレジットがない作品はここが初出です。すべて上谷作です。

 自力検討なので、余詰等あったらごめんなさい。

①禁欲協力詰 3手(1+0)
 ※協力詰=ばか詰

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(1+0)の表記は、攻方に透明駒が1枚、受方に0枚透明駒があることを示す。

②禁欲協力詰 3手(0+2)

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③禁欲最善詰 3手
 2020年5月 『Web Fairy Paradise 第143号』 WFP作品展 例題

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【最善詰】攻方は受方がなるべく早く詰むよう王手を掛け、受方はなるべく詰まないよう応じる。
[補足]
・いわゆる普通の詰将棋から枝葉(無駄合概念や、駒が余るかどうかで手順に優劣を付ける規則)を取り除き、攻方最短を義務化したもの。攻方最短・受方最長のみが正解で、長手数の余詰は不問。
(WFP作品展登場ルールのまとめ より引用)



 WFP最新号に例題として掲載いただいた作品。詳細はリンク先12pをご参照ください。

④禁欲協力自玉詰 4手(1+1)

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【協力自玉詰(ばか自殺詰)】先後協力し、最短手数で攻方玉を詰ませる。
※自玉詰なので、攻方の透明駒は玉であることは分かる(詰ませる対象が存在しないと問題として成立しない)。地点は不明。


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解答、解説

① 19香、同玉、29金 まで3手詰
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 19香に対して、禁欲(駒を取らない応手を優先)なのに同玉と着手できるとはどういうことだろうか。すなわち、2手目に駒を取らずに玉が逃げる手は存在しなかったことが情報として与えられるわけだ。
 攻方の1枚の透明駒はなんだろう。38の馬(玉)、2筋の飛、29の香…色々な可能性がある。
 最終手29金を指すことで攻方透明駒が29香である可能性は消失する。3手目の局面で攻方の透明駒が何であるかは判明しないが、少なくとも全ての可能性で29地点に攻方駒の利きがあるのは間違いない。よって詰みと断定できる。

② 38龍、28と、-X まで3手

 3手目-X。初形時点では攻方は王手をかけられるような透明駒は持っていなかったはず。すなわちこの透明駒は受方から奪った駒だ。いつ取ったんだろう?と時系列を遡ってみると初手が駒取りだったことになる。
 駒を取らない王手を優先せねばならない禁欲条件でも駒を取れる。そんな初形であったと考えねばならない。
 本作の場合、可能な初手は27龍と38龍の2通り。
 38龍が駒取りであるとすれば、27地点にも受方透明駒が居なくてはならない(駒種は不明)。すなわち、初形で先手が選べる手がすべて駒を取る手であれば、いくら禁欲といっても駒を取る手を選ぶしかないというわけだ。
 
 27地点は埋まっているため、最終手-Xは29地点の王手しかありえない。これを取り返せるような透明駒は出払っていることも証明されている。よって詰み。

④ 29飛、17玉、-X、18龍 まで4手
 
 3手目-X。初形時点では攻方は王手をかけられるような透明駒は持っていなかったはず。すなわちこの透明駒は受方から奪った駒だ。いつ取ったんだろう?と時系列を遡ってみると初手が駒取りだったことになる(2回目の解説)。
 しかしこれは妙だ。攻方は初手に37飛という手も指せたはず。②とは異なり、受方の透明駒は1枚だけなので、37にも29にも受方駒があるとは考えられない。29飛が駒取りならば37飛は駒取りではないことになる。それでも29飛を優先をしなければならない状況とは何だ?

 ここで自玉の存在を考えてみる。
 そう、29の駒が自玉に王手をかけていれば37飛は指せない(王手の解除が優先される)ことになる。

 王手をかけている受方透明駒と自玉位置の組み合わせは、
(ア)自玉:56~92 / 29の受方透明駒:角(馬)
(イ) 自玉:19    / 29の受方透明駒:横に利きを持つ駒 なんでも

 ア、イのどちらか。
 どちらの初形配置であったかは4手目に判明する。

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 3手目Xに対し、最終手18龍と応じた。これにより3手目が角打である可能性が消える。
 よって(イ)に決定し、自動的に自玉は19に確定する。
 さらにいえば初形で29地点にいた受方透明駒が成香に決まる(3手目が香打ちと解釈しないと、4手目には16玉を優先しなければならないため)。ここまで気付かれた方はきっとかなり透明駒に向いているタイプであるはずだ。
 
 
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