2015/12/30

欲を出さないと面白い?

 
 実家からの更新。

タイトルのココロは「指し手を制限することは面白さを制限することになるか?」です。
それに対する私の答えはもちろんNO。特に対抗系(相手が抵抗する)のルールでは、その制限を逆用するような抵抗が生じてなかなか面白いのではないかと考えています。その面白さを伝えられたらいいなと思い記事に着手した次第です。
 (果たして自作はその面白さを少しでも引き出せているのでしょうか…汗)


 そんなわけで今回のテーマは禁欲詰です。お互いに禁欲ルールが課せられた以外は普通の詰将棋と変わりありません。

〔禁欲〕駒を取らない手を優先する。

 よく似たルールに「取禁(駒取り一切禁止、ただ詰みの概念は普通と同じ)」がありますが、取禁に比べ禁欲は駒を取る手しか合法手が無いときは駒を取ってもいい点で異なります。逆に言えば、取禁ルールとの差別化を図るためにも、禁欲ルールでは駒取りに関わる点が焦点になることが多いとも言えます。

 まずは軽いものから。

 禁欲詰 9手 (WFP作品展73-1)
2015-12-24b.jpg


 金が動けるようになれば32金までですから、初手は33香としてみたいですよね。この手に対し逃げれば香成から簡単です。
 しかし33香に対しては32歩合ぐらいで困ります。

2015-12-24a.jpg

 同香成でも同金でも詰むのに、「22金」という駒を取らない手のほうを選ばざるを得なくなっているのです。以下41玉、31金、同玉でダメですね。

 23の金も攻めに参加してもらわないと詰まないだろうけど、下手に金を自由にしてしまうと、22金という選択肢が増えてしまう。アンビバレントな状況だったわけです。

 初手は34香と一つ控えて打ってみましょう。32歩合に対しては(22金の選択肢が無いので)同香成とできます。ここが33香との違い。
 では33歩合では…?これは23の金のピンが外れますので、32金までの詰みですね。このように、自分からアンピンを図るのではなく、相手にアンピンの如何を委ねるのが解決法で、後出しジャンケン的な表現が本作の狙いだったのでした。

 ここでは33金と逆王手して同香を強制するのが一番の延命策です。しかし攻方は単純に初手33香とするより金を得したことになります。以下はそれっぽい収束。

正解手順は

 34香 33金 同香生 32飛 22金 41玉 52金 同飛 31金 まで 9手詰となります。

 2手目の逆王手は飛車でもできますが、それだと5手目に合駒する飛車が尽きてしまいます。飛車温存のための金合なのでした。

 結果稿は http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP86.pdf の 17pから。

 ところで、初手は34以遠ならばどこに打ってもいいのでしょうか?いえいえ、実は初手は34香以外は不詰なのです!35以遠に打ってしまうと金輪際詰みません!
 一体なぜ?その理屈はまた今度の話題にさせてください。というのも、その原理を主眼にした自作もありますので、それを取り上げるときに一緒に話せたらと思います。……こんな感じで来年につなげる形で締めましょうかね。鬼に笑われそう。

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 2015年ももうすぐ終わりですね。本ブログもこれが今年最後の更新です。

 私としては、今年は多くのことにチャレンジできた一年だったと感じています。そして多くの方に支えていただいた一年でもあります。ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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コメント

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No title

面白い!!
フェアリー超初心者ですが、今回の丁寧な説明を読み、以遠打逃れの意味も考えてみて、非常に面白いと思いました。

Re: No title

奥鳥羽生 さん

ありがとうございます!楽しめていただけたようでなによりです。これからも初めての方でも納得していただけるような解説を心がけていきますので、今後ともご愛読のほどよろしくお願いしますm(_ _)m