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2016/01/05

欲を出さないと面白い?(2)


 今回のテーマは「敢えて攻方の選択肢を増やす」です。
 そして修正図のほうも知ってもらいたいと、そういう魂胆でもあります笑

 禁欲最善詰 19手 (WFP作品展73-2 ※修正図)
2016-01-05a.jpg

〔禁欲〕駒を取らない手を優先する。
※最善詰は、とりあえずここでは19手以内で詰ませる詰将棋と思っていただければ大丈夫です。


 流れを追いやすいように途中図多めでいきます。

 初手は21銀不成しかありません。まず簡単な変化から考えていきます。
 11玉には12銀成です。同玉の一手。

2015-12-23a.jpg

 初形から銀が消えた形になりました。こうなると駒取り以外の選択肢がなくなって一転23桂成が可能になり、その上相手はこの成桂を取れませんので以下簡単に詰みます。
 
 このように攻方は駒取りの一手となるような局面を目指して金を取ろうと目論み、受方はこの金を取られまいと必死に抵抗します。この方針を頭に入れて手順を追っていきましょう。

------------------------

 初手21銀不成に22玉はちょっと複雑ですが早く詰みます(フラ盤を参考にしてください)。よって13玉と逃げるのが正着です。これに対しては24の退路を塞ぐため35角とします。

2015-12-23b.jpg

 逃げても13角成、11玉、12馬で簡単ですので合駒です。
 ただしかし単純に24歩合とすると、12銀成から23桂成とやっぱり金を取られてしまう。
 よってここは24金の移動合が正解。取られそうな金を逃がします。

 以下12銀成、同玉。
 23桂成は11玉で少し届きません。よって34角です。

2015-12-23c.jpg

 逃げると早詰(一番下に変化として並べています)。
 単純な合駒は同桂成とやっぱり駒取りが決まります。万事休すのようですが…?

 ここでは23金!の移動合が禁欲を逆手にした背水の陣の一手。
 先ほどと同様、同桂成で簡単なように見えます。しかしここでは新たに13角成という、駒を取らない王手が生まれています。「駒を取らせないため敢えて攻め方の選択肢を増やす」とは、この手を指していたのでした。 

2015-12-24c.jpg

 13角成を強制されたわけですが、これに対して11玉されたら12馬として、今度こそ金を取れるだろうというのが攻め方の考え。それを見越して受方は21玉とよろけて、32歩成とさせてから11玉と決めます。

2015-12-23e.jpg

 攻方の戦力をわざと強くさせました。一見不利なようですが、先ほどの候補手だった12馬に対しては同玉として、▲22とがあるせいで23桂成とできなくなっているのですね。

 以下は収束。

 22と、同金、12角成、同金、23 桂不成、21 玉、31 馬 まで 19 手詰


 下のフラ盤で全体の手順を並べられます。



 21銀不成、13玉、35角、24金、12銀成、同玉、34 角、23金、13角成、21玉、32歩成、11 玉、22と、同金、12角成、同金、23桂不成、21玉、31馬 まで 19 手詰

※各変化はフラ盤参照。

 結果稿はhttp://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP86.pdf の18pから。
 修正前の図が載っていますが、修正の経緯などは第89号のほうを確認していただければ幸いです。
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コメント

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No title

「最善」の用語がWFPで使われていたのですね。
これまで、長らくフェアリー界では

     玉方最短 玉方最長
攻方最短  協力詰  ???
攻方最長  最悪詰  悪魔詰

???に該当する部分の用語が定まっていなかったと思っており、私自身は独自に最善詰と呼んでいましたが、この呼称が定着していけば、分類法として分かりやすくなりそうですね。

最善詰が普及して作られるようになったとき、現在は伝統ルールを意味する俗称として使われることの多い「かしこ」が混乱することがあるかもしれませんが。

ところで、WFPのルール説明では「無駄合」概念は用いないとされていますが、このあたりは個人的には不思議に思っています。
今回の禁欲では無駄合がかかわることはないですが、「玉方最長」と「無駄合」は本質的にかかわりが不可避です。
協力詰のような「玉方最短」ルールの下では、手数を伸ばす「無駄合」は本来選択される可能性が全くなく、それゆえ透かし詰の局面のみ可とするのは不自然となるのは納得の行くところです。
しかし、無駄合は本質的に手数を伸ばすため「玉方最長」ルールの下においては無駄合禁止ルールと無駄合可ルールとでは表現が変わってくるものと思います。
手順の一意性に拘るフェアリーの世界を鑑みると、無駄合禁止ルールにおいてはいかに「最遠打」ないし「限定打」に固定するかが問われ、無駄合可ルールではいかに「無駄合されないギリギリに近づけるか」(それによってどういう面白さを出せるか)が問われるものと思います。

このあたり、フェアリー界は何の疑いもなく「無駄合という概念は使わない」と考えているのでしょうか。不思議です。


それにしても、攻方も玉方も最短最長を尽くすために、本来であれば損する手を選ぶことが正しい選択になる、というのは、禁欲と最善詰の相性の良さを示しているのでしょうかねぇ。これも不思議な感覚です。

No title

私ではフェアリーのルールの整備の経緯は分かりかねますね…汗。ばか詰は本来は透かし詰め可だったと認識しております。その後透かし詰め不可と方向転換したわけですが、それがいつかまでは分かりません。なにぶん、私が生まれる前のことでして…。ただ、最善詰という言葉自体は前からあったように思います。ただこれも詳しくないです。

無駄合についての自分の認識を省みてみるのですが、非常にとりとめのないことになってしまい、とてもお見せできるようなコメントが書けそうにありません…。もうちょっと整理してみます。すみません。 識者の意見を待ちましょう笑 

まあ、どのようにルールを決めたとしても、そこに居る人間はそのルールに適応していった結果が作品に反映される。それだけのことです。別にフェアリストは最遠打が好きなわけではなく、最遠打を選択させられているともいえます笑 

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