2016/01/18

5手ばか詰の手筋(1)

第一回:攻方の成/不成

 これまでは5手ばか詰の詰め上がりをテーマに据えて考えてきたわけですが、ここからは手順の内容にも踏み込んでいきましょう。まずは簡単な例題から。

ばか詰 3手
2016-01-18a.jpg

 53歩成、51玉、52銀 まで3手詰

 簡単ですね。

 ……。

 (ばか詰だけに)馬鹿にしているわけではありませんよ。まあ聞いてください。
 初手は誰だって成るでしょう。では、なぜ?

「えっ、だって打歩詰を除けば自分の攻駒は強ければ強いほどいいでしょ」

 確かにその通り。多くの方が共有している感覚でしょう。
  
 では、これは?

ばか詰 5手 


2016-01-18b.jpg

 23桂では飛を取られるので、初手は飛を動かすしかなさそうです。では、ここでも成ってしまったほうが得でしょうか?…違いますね。同玉以外の応手が無くなってしまうので。

 相手が協力してくれるばか詰では「逃げさせたいところに誘導する」ことが可能ですから、その順路を邪魔しないような意味付けでの不成が可能です。ここが伝統詰将棋との違い。

 要するに成/不成の双方が他方にないメリットを持っており、不成が純粋に不利な着手とは呼べなくなるわけですね。
 すべての機会で成も不成もそれなりに有力となり、紛れがより上質になってくれるとも言えます。

 ↑の例題の答えは 12飛生、21玉、32飛成、11玉、23桂 までの5手
 
 一応成生の対比のつもりです。


 より一層成生の対比を際立たせてみたのがこちら。

(未発表)ばか詰 5手

2016-01-18d.jpg

 なんてことない単純さなのでしょうが、ちょっとお気に入りです。桂配置がピッタリ。
 

 ばか詰ならではの不成か?はたまた裏の裏の成か?この選択肢も考慮に入れつつ解図や創作に取り組んでいくと、より一層ばか詰の世界が広がっていくでしょう。
 さて今回は印象的な作品を一つ紹介して締めさせていただきたいと思います。

神無三郎氏作 (詰パラ 1993.12)  
ばか詰 5手


2016-01-18c.jpg


 正直なところ、5手ばか詰で心から好きになる作品にはなかなか出会えないのですけども、本作は引き締まった手順で素晴らしいと思います。いかがでしょうか。

 例によって解答は後日コメント欄に掲載いたします。
 ばか詰に関しての記事も増えてきました。ここらで自力で解いてみるのもいいかもしれませんね。

 棋力は関係なし!是非チャレンジしてみてください。
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コメント

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No title

○自作
35飛不成、24玉、33飛成、25玉、35龍まで5手詰
飛が成ったり成らなかったり、行ったり来たり。単純ながら雰囲気はある!?

○神無三郎氏作
51飛、63玉、53桂不成、62玉、61桂成まで5手詰。

両王手を避ける、敢えての53桂不成が高級手筋。成生の対比のきいた二段跳ねと実に無駄のないまとまり方です。