フェアリー入門:透明駒
透明駒のルールについては(私の駄文でいいならば)WFP今月号をご参照ください。
【透明駒】位置・種類が不明の駒。
着手の合法性、攻方王手義務を満たせる可能性があれば、それを満たしているものとして手順を進めることができる。
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/wfpr2015.pdfより
ばか詰 5手 (2+1) 〔2015/9 WFP フェアリー入門〕

※透明駒は攻方に2枚、受方に1枚あります。
透明駒余りは現行のルールでは問題ありません。
受方透明駒は「残り全部」で見えていないということにしてください。
桂の利きによる王手ができないので、初手は透明駒の力を借りた王手しかありません。
では初手は-Xでしょうか?確かに有力な手段です。
例えば-X,23金,+23,14玉,24金とか?詰んでいるように見えますが、これには+24と対応されてしまいます。攻方の透明駒をうまく利用することはもちろんのこと、同時に玉方の透明駒を如何に無効化するのかが鍵となりそうです。
-Xに対する応手は色々ありますが、どれもこれも受方の透明駒がはっきりせずうまくいきません。と言っても王手はこれ以外にない…?いや、あります。
正解は35桂!これも王手になっているのです。
要するに、2筋に香か飛(龍)の透明駒がいて、初手は開き王手だったと主張するわけです!初めての方はびっくりする筋かもしれません。
それに対しては15玉と逃げて、続けざまに23桂成!今度は5段目の飛を主張してみましょう。
全体の手順としては 35桂、15玉、23桂成、14玉、24成桂 まで5手詰 となります。

2筋に縦の利き、5段目に横の利きが存在していることはこれまでの手順で示しています。このスッカスカに見える詰め上がり図でも一応15は埋まっていて、24の成桂にヒモはついているので案外包囲網はしっかりしています。
ただ、ちょっと待ってください。
攻方の2枚の透明駒を明らかにしたのは分かりました。でもこれでは、受方の透明駒の所在は分からずじまいではありませんか。24の成桂を+24とする受けは残っていないのですか?
この疑問こそが作者の主張。実は23桂成の瞬間、受方の透明駒はすでに盤面にはないことが示されてしまっているのです!
これまでの手順で判明した透明駒を適当に配置して初形を推理してみましょう。

(あくまで一例です)
2筋の香は別におかしくはありません。しかし5段目の飛(龍)、これはとてもおかしい。王手放置の違法局面になってしまうではありませんか。いくら透明駒が変なルールだったとしても、出てくる局面は合法局面のはずです。なにか辻褄合わせをせねばなりません。そこで活躍するのが受方の透明駒というわけです。

受方の透明駒(一例として歩)を35に配置してみました。なるほど、こうすれば作意順は実現可能です。
「え、受方の透明駒は35~85のどこでもいい(だから35とは限らない)んじゃないの?」と一瞬考えてしまいますが、初形が王手放置の違法局面ではない上で3手目が王手となるためには受方の透明駒は35地点ですっぱ抜かれるしかありません。よって受方の透明駒が取られたことは確定です。
受方の透明駒もなく、その上で玉の退路もないのですから、正真正銘詰みだと言える……と、そういう理屈だったわけですね。
慣れた方なら一目の手順でしょうが、手順に統一感があるのでまあ及第点ではないかなと思います。
本作の検討に関わってくださった皆様、ありがとうございました。
【透明駒】位置・種類が不明の駒。
着手の合法性、攻方王手義務を満たせる可能性があれば、それを満たしているものとして手順を進めることができる。
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/wfpr2015.pdfより
ばか詰 5手 (2+1) 〔2015/9 WFP フェアリー入門〕

※透明駒は攻方に2枚、受方に1枚あります。
透明駒余りは現行のルールでは問題ありません。
受方透明駒は「残り全部」で見えていないということにしてください。
桂の利きによる王手ができないので、初手は透明駒の力を借りた王手しかありません。
では初手は-Xでしょうか?確かに有力な手段です。
例えば-X,23金,+23,14玉,24金とか?詰んでいるように見えますが、これには+24と対応されてしまいます。攻方の透明駒をうまく利用することはもちろんのこと、同時に玉方の透明駒を如何に無効化するのかが鍵となりそうです。
-Xに対する応手は色々ありますが、どれもこれも受方の透明駒がはっきりせずうまくいきません。と言っても王手はこれ以外にない…?いや、あります。
正解は35桂!これも王手になっているのです。
要するに、2筋に香か飛(龍)の透明駒がいて、初手は開き王手だったと主張するわけです!初めての方はびっくりする筋かもしれません。
それに対しては15玉と逃げて、続けざまに23桂成!今度は5段目の飛を主張してみましょう。
全体の手順としては 35桂、15玉、23桂成、14玉、24成桂 まで5手詰 となります。

2筋に縦の利き、5段目に横の利きが存在していることはこれまでの手順で示しています。このスッカスカに見える詰め上がり図でも一応15は埋まっていて、24の成桂にヒモはついているので案外包囲網はしっかりしています。
ただ、ちょっと待ってください。
攻方の2枚の透明駒を明らかにしたのは分かりました。でもこれでは、受方の透明駒の所在は分からずじまいではありませんか。24の成桂を+24とする受けは残っていないのですか?
この疑問こそが作者の主張。実は23桂成の瞬間、受方の透明駒はすでに盤面にはないことが示されてしまっているのです!
これまでの手順で判明した透明駒を適当に配置して初形を推理してみましょう。

(あくまで一例です)
2筋の香は別におかしくはありません。しかし5段目の飛(龍)、これはとてもおかしい。王手放置の違法局面になってしまうではありませんか。いくら透明駒が変なルールだったとしても、出てくる局面は合法局面のはずです。なにか辻褄合わせをせねばなりません。そこで活躍するのが受方の透明駒というわけです。

受方の透明駒(一例として歩)を35に配置してみました。なるほど、こうすれば作意順は実現可能です。
「え、受方の透明駒は35~85のどこでもいい(だから35とは限らない)んじゃないの?」と一瞬考えてしまいますが、初形が王手放置の違法局面ではない上で3手目が王手となるためには受方の透明駒は35地点ですっぱ抜かれるしかありません。よって受方の透明駒が取られたことは確定です。
受方の透明駒もなく、その上で玉の退路もないのですから、正真正銘詰みだと言える……と、そういう理屈だったわけですね。
慣れた方なら一目の手順でしょうが、手順に統一感があるのでまあ及第点ではないかなと思います。
本作の検討に関わってくださった皆様、ありがとうございました。
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