5手ばか詰の手筋(4後)

5手ばか詰
02 /18 2016
そっぽ(後)

 前編 → http://fairypara.blog.fc2.com/blog-entry-36.html

 前掲
2016-02-17b.jpg

 上の図で22龍とすれば、14玉と潜り込むことができるのでしたね。
 逃がしたいところへ逃がすといえば、こんな図も考えられます。

2016-02-17c.jpg

 23飛「成」ではなく23飛「生」とすれば、これまた14玉の手を助けることができます。
 表現は違えど、目的は似通っていると言えるでしょう。



 ばか詰でよく用いられる「そっぽ」の意味付けについて、今回は3種類触れてみようと思います。

1,玉が逃げる空間を確保する
 
 一番多く使われる意味付けでしょうね。要するに先ほどの例の14玉のことを指しています。
 そっぽで動く駒として圧倒的に龍が多いのも特徴の1つです。馬は時たま見るかなあ…くらい。

 これまで紹介した作品のなかだと、以下が該当します。

○佐々木寛次郎氏作(詰将棋パラダイス 2006年7月)

6Tm (2)

 85龍 64玉 94龍 75玉 74龍 まで 5手

 そっぽに逃げないと玉を75地点まで引き込めないことをご確認ください。

 この他では、http://fairypara.blog.fc2.com/blog-entry-12.htmlの長谷繁蔵氏作および勇者ロト氏作も同じ意味付けになっていますね。
 
 改めて振り返ってみると、やっぱり多いなあと感じさせられます。


2,互いの利きに干渉しない

 そっぽの動きで稼いだ一路の空間を利用した意味付けと呼べます。この意味付けでも、そっぽで動く駒としては圧倒的に龍が多い。

Ⅰ図 (ばか詰 3手)
2016-02-18d.jpg

59龍、46玉、36金 まで3手詰

 そっぽの妙手感は、常にそっぽをしない王手との比較によって成り立つと言ってもいいかもしれません。Ⅰ図で言うならば、解答者および鑑賞者に58龍と59龍の比較を提示しろということです。上の意味付けは単純で、58龍だと角筋を塞いでしまうのでそこで差別化を図っていることになります。

 この意味付けは普通詰将棋でも可能ですね。中合を考慮しなくても良いばか詰では、良くも悪くも比較的あっさりした表現となります。

 意味付けから表現に辿り着くとすれば、こんな表現法もあります。

2016-02-18e.jpg

 ほぼ一緒なので手順は省略しますが、2の意味付けの範疇で考えるとするなら、そっぽも遠打も似通っているのですね。


3,そっぽ地点で働く
 
 金そっぽや銀そっぽ、桂そっぽなどは主にこの意味付けです。
 これらの駒で大切なのは、2での58龍と59龍の比較のようにそっぽとそうでない手の間での純粋な比較ができないことです。

Ⅱ図  ばか詰 3手
 
2016-02-18a.jpg

 53金、44玉、54金まで 3手詰
 
 初手53金は確かに玉から遠ざかる手のように見えますが、それはあくまで(比較対象がないので)印象だけの話です。54金と活用するための手と考えると、一番自然な手と解釈されても仕方ありません。

 意味付けとしての論理的な面白みを引き出すのは難しいかもしれませんが、1,2の意味付けに比べて多彩なバリエーションが考えられるのもまた事実。使い方次第では結構面白くなる題材だと思います。


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 最後にそっぽが登場するような実際の作品を少しだけ紹介して終わろうと思います。二作ともばか5手詰。答えはちょっと間を置いてからコメント欄に。

佐々木寛次郎氏作(詰パラ 2006年4月)

2016-02-18c.jpg


桝田隆行氏作 (詰パラ 1990年3月)

2016-02-18b.jpg

 

 
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コメント

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No title

○佐々木氏作
34銀不成、33金、同飛不成、44玉、45金 まで5手詰

 33地点に利きを残すための銀そっぽ。
 一路稼ぐ手段はそっぽだけではありません。中合でも可能なことは本作によって明らかでしょう。


○桝田氏作
63銀不成、43玉、42銀成、53玉、52銀成 まで5手詰

 この詰め上がりを想定するのはかなり困難なのではないでしょうか。そして難解さはもちろんながら、手順もなかなかのもの。2枚の銀が駆け上っていく様はとてもユーモラスです。私好みの作品。

ue

自称フェアリストです