--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2016/03/14

透明駒の受賞作

 
 4月になったら忙しくなりそうなので、3月のうちに更新数を稼いでおこうと思います(笑)


 このブログで透明駒の話題といったら自作ばかりでしたので、私以外の作者の方の作品もご紹介します。今回紹介させていただきますのは、Fairy TopⅨ2014の短編部門で見事第1位を獲得された、會場健大氏の作品です。

 成禁ばか詰 7手(双方持駒なし
 (双方に透明駒が1枚ずつ)

2016-03-13a.png

成禁=成る手禁止
透明駒のルールについては
 http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP83.pdf 
 http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP91.pdf
  などでご確認ください。

 早速手順のほうを見ていきましょう。
 ↓(scroll)









 正解順 : 82角 -X 93角 -X 84角 38玉 39飛 まで 7手
       ※成禁なので不成表記は省略

 透明駒を使った作品では1手1手の目的、意味をつぶさに解析していく姿勢が求められます。順々に解きほぐしていきたいですね。

 まず初手82角。なぜここに開く必要があるのかはまだ分からない段階ですが、ひとまず開き王手であることは間違いありません。よって3筋には攻方の飛車か龍がいることが分かります。そして2手目が3筋への着手であることも同時に判明します(合駒か駒取りかどうかはまだ不明)。

 次に93角としてみます。それに対しての4手目の-Xは(角が盤面から消滅していないこともあり)透明駒による合駒です。しかしどの地点へ合駒されたかはこの時点では分かりません。
 しかし5手目84角としてみると、84に合駒されていたことが判明します。

-----------------

 ここまで、手順の表層を追っていきました。
本来ノーヒントで透明駒を獲得したとしても、その駒種を判明させることはできずうまく攻駒として活用できないはずです。しかし7手目で示されているように、獲得した透明駒は飛なのだと断言できてしまっています。一体どうして分かったのか?この分析こそが本作のキーポイントと考えることができそうですね。

------------------

 受方の透明駒はどういう挙動をしていたのか?
 2手目で1枚の透明駒が受けに投入されていることは言うまでもありません。特に問題となるのは3手目です。ここでの透明駒の使われ方を分析することで、持駒:飛の謎も、角の限定移動の謎も解明できそうです。
 
4手目の応手の可能性として、
1)2手目に取った透明駒を打って合駒した
2)2手目の透明駒での移動合

 のどちらかです。いずれにしても、2手目で攻方の透明駒は取られていることになりますね。
 本作の面白いところは、最後まで(1)か(2)か分からないまま終止すること、そしてそれなのに5手目に入手するのは飛であることだけは決まっていることです。

 まず手順が(1)だったとすると、取った透明駒はもともと攻方の透明駒であるわけです。そしてそれは飛か龍であったことはわかっていますので、(1)ならば合駒は飛でしかありえません。そしてこの順ならば4手目でどこに合駒しても構わないということになりますが……?
 次に(2)の可能性。3筋から93角の王手のラインへ移動合しうる受方の透明駒として、角(馬)、飛(龍)、桂のいずれの可能性もあります。そしてこのように透明駒の種類が定まっていない状態では、7手目で駒種を確定させることはできません。
 よってどこで透明駒を取るかが非常に重要になってくるのです。確かに3筋から84地点へ移動できる駒は飛(龍)しかありませんね。駒種を絞り込むための84への中合、そしてこの中合を実現するための初手限定移動だったのです。

 例えば75地点への移動合ならば角でも可能です。
 
2016-03-14a.png

 こんな感じ。2手目は31にいた飛(龍)を角(馬)で取っていることになります。

 かくして、取ったのはいずれにしても飛車という手順を構築することができました。

-------------------
 
恐らく(2)のロジックが創作の起点と思われます(違ったらごめんなさい)が、(1)の可能性も否定できないともなれば透明駒の唯一性が揺らぐわけで、「これはまとめきれない」と諦めてしまうのが普通の思考だと思います。この問題を握り潰すのではなく、「過程は分からないが結果だけは分かる」といった個性的な狙いに昇華させてしまう発想の転換……。驚かされました。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。