--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2015/11/14

5手ばか詰を考えよう(2)

■トドメは金(後編)

↓再掲
(1)頭金
2015-11-12a.jpg

(2)腹金
2015-11-12c.jpg


(3)尻金
2015-11-12e.jpg

書き溜めていたデータが消えて激萎えなので本来より少なめの記述です(怒)


ここまで王手する駒に着目してきましたが、ここで玉を包囲する駒にも着目したいと思います。といっても一つだけです。

無題

以下のような角が配置されているばか詰が出題されていたとしましょう。角を動かす紛れもあるでしょうが、とりあえずは角が不動である手順を予想します。このとき、玉の詰め上がり位置として有力な地点はどこでしょう?

角の利きが多いところですね。0マスより1マス、1マスより2マスのほうが、作品としての完成度および詰めやすさの点からいっても有力です。

角で玉を包囲する利きが2マスである地点は、以下の2つに大別されます。

1)角に隣接した地点:27,36,38,47 
 →腹金や頭金ができそうな場所です。
2)角の利きが隣接する地点:45,54,56,63他多数

今回特に覚えてほしいのは2)のほうで、便宜上「かすめる角(仮)」とでも呼びましょうか(呼びたい方は「グレイズ角」とでも…)。

なぜ大切なのでしょう?

------------

さてもう一つだけ覚えていただきたい概念に「モデルメイト」があります。チェス用語として「すべての駒が詰に必要となっている」みたいな意味らしいです。

こんな詰め上がりがあったとします。
2015-11-12f.jpg

馬でズバッと。3枚の攻駒すべてが詰め上がりに必要なのですから、モデルメイトであるように思われます。

しかし、恐らくですが詰キストに共有の感覚として、この図にはある種の気持ち悪さが感じられるのではないでしょうか。X地点を埋めるための、せっかくの馬の長い足はこの場合別に必要とされていないからです。できることなら香は歩にしたくはありませんか?

攻駒の利きに過不足のない詰め上がりであること、もちろん伝統詰将棋でも大切でしょうが、フェアリーではより重要なポイントとなるように感じています。理由は簡単で、この性質の持つ詰め上がりが、フェアリーでは本当に多いのです※1
現に冒頭に挙げた金の詰め上がりたちもすべてこの「過不足のなさ」という条件を満たしているのはお分かりいただけるかと思います。そこで今回は、こんな詰め上がりを「積極的モデルメイト(仮)」と名付けてみましょう※2
本当ネーミングセンス無いもんですいません汗


そんな詰め上がりたちの頻出の型を一通り把握することは、解図上でも作図上でもとても役立つことでしょう。

そしてその詰め上がりの構築資材として、「かすめる角」が頻用されます。金による詰め上がりでも、(2)、(3)で使用されています。また今後述べるのですが、龍、馬によるの詰め上がりでもよく出てきます。だからこそこの角を重要性をまず確認していただけきたかったのです。今後の記事でも、支え駒としての角の使い方には注目しておいてください。

前置きが長くなりました。ではこれまで述べたポイントも参考にしつつ、5手ばか詰の作品に取り組んでいきましょう。

○桝田隆行作 (詰将棋パラダイス/1989年9月)
2015-11-14te.jpg


○佐々木寛次郎作 (詰将棋パラダイス/2015年4月)
2015-11-14b.jpg


○たくぼん作 (詰将棋パラダイス/2006年12月)
2015-11-14a.jpg

(敬称略)


最後は応用編です。金は金でも…?

解答と私なりの感想はそのうちコメント欄に載せます。


※1
私なりにフェアリーで積極的モデルメイトが多い理由を考えてみました。このあたりはどうしても普通詰将棋との比較になってしまうのですが…。
短編ばか詰では変化がありません。手数も余詰との兼ね合いで5~7手が関の山です。要するに重厚さに欠けるのです。ですので別のセールスポイントが必要になってくるわけで、そこで白羽の矢が立つのがフェアリー特有の「虫の良さ」となるのではないかと思います。その「虫の良さの演出」の評価項目中には、当然詰め上がりも含まれているでしょうというのが私の推測です。
逆に言えば、普通詰将棋にて積極的モデルメイトが必須かと言えば、私はフェアリーほどではないと捉えています。普通詰将棋では手数も変化も重厚さも多種多様なように、何をセールスポイントにするかは作品ごとの話であって、詰め上がりはどの作品でも重要であることは承知しておりますが、どれほど重要かどうかは作品が決めることだと思っているからです。

※2
単純に「モデルメイト」と言うだけでも、積極的モデルメイトの意味になっているのかもしれません。このあたりには詳しくないもので、言葉を誤用していたらごめんなさい。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

○桝田隆行作
95飛 55金 同角 76玉 77金 まで 5手
例の角の使い方がここでも出てきます。詰め上がり位置がある程度推測できますね。
基本が大切です。

○佐々木寛次郎作
54飛 63玉 73金 53玉 43金 まで 5手
端正な初形から読ませる手順。
私が解いたときは3手目に意外と思い至らず、2手目63玉には蚊帳の外に行くような不利感がありました。

○たくぼん作
25角打 35玉 36角 44玉 43銀成 まで 5手
詰四会の氾濫より。
初手の角があまりにも重い心理的妙手。
それ故にすべての利きがスッと通る3手目の爽快感がより一層引き立てられます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。