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2016/08/16

山路大輔 2015年度詰将棋サロン発表作

山路大輔氏作:2015.4 将棋世界

2016-08-16c.png

14金、同銀、25桂、同銀、23金、同玉、34金、同銀、22飛、同玉、24飛、23銀、34桂、13玉、14金、同銀、22飛成、まで17手詰

 看寿賞候補にもなった一作。少したじろぐ持駒であるものの、非常に端正な実戦形が目を引きます。
 狙いは作意順を見れば一目瞭然。受方銀の一回転です。

 銀を14に引き込んでからの25桂が味の良い序奏。24玉の変化には34飛からの物量作戦で捕まります。
 同銀と形が決まってからは特に難しいところはありません。しかし34金と銀を質にする手はなかなかの味の良さですし、そして何より、自然な流れで銀が回転していく様は見ていて気持ちがいいですね。

 もちろん作者は銀一回転を狙って創作したと思いますが、一体どのあたりから手をつけてつくったのでしょうか?私としては勝手に24飛車あたりの局面からの逆算かなあとか考えてみたり(本人に聞いてないのであくまで予想です)。逆算のコントロールが非常に上手い作者でありますので、逆算で狙い部分をつくりあげてしまうのも可能なんじゃないかなあと思います。




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2015.8将棋世界 2015年度詰将棋サロン 年間佳作

2016-08-16a.png

95角、(イ)84銀、64金、同玉、86角、75銀、73銀、同玉、95角、84銀、83金、64玉、86角、同龍、65金まで15手詰

(イ)2手目84歩合は64金、同玉、86角、同龍、65金、73玉、74金、82玉、83金、91玉、92金で早詰
(イ)2手目84金合は83金、62玉、84角、同龍、52金、同玉、44金、54飛、43銀、62玉、52金、同飛、同香成まで同手数駒余り。
(イ)2手目同龍は74金と打ち、62玉、63金、同玉、54金、73玉、74金、72玉、63金右、82玉、83金、91玉、92金まで同手数駒余り。

 85の龍が実によく利いています。駒を打ちたい83、74、65地点のいずれも守っており、この龍の働きをなんとか削いでいきたいところです。

 そんなわけで、初手はなんとなく95角としてみたいですね。

 同玉は(イ)の変化の通り、ちょっと長いですが龍を動かした効果で74金と打てて詰みます。
 よって84に合駒をすることになります。駒種はひとまず置いておきましょうか。とりあえず歩合。
 83に駒が打てる形です。しかしいきなり83金とすると、5筋に香の利きが通っていない関係で62を経由して逃げられてしまいますね。
 まずは64金として香利きを通します。同歩では今度こそ83金ですので同玉。

2016-08-16b.png

 持駒を消費するのも効率が悪そうで、75地点に逃げられないためにも86角が有力です。同龍では65金から追い詰めですので、ここも合駒。しかし単純な合駒では73銀、同玉、83金と据えて再度の64玉に今度こそ頭金で詰み。

……もうお分かりですね。2手目の合駒がナナメに利く駒であれば、ここで75へ移動合することができ、そして83へ龍の利きを通すことができるのです。よって2手目は銀合か金合で、(イ)の変化より金合は逆用されてしまいますので銀合で決定です。

 73銀、同玉で再度の95角。もちろん同龍とはできませんし、どう応じても次の83金打を防ぐことはできません。ここで84銀!と二度目の移動合が最善の延命策で、今度は龍の65への利きを通します。以下は収束。83金から角を捨てて頭金でフィニッシュです。


作意順再掲:95角、84銀、64金、同玉、86角、75銀、73銀、同玉、95角、84銀、83金、64玉、86角、同龍、65金 まで15手詰




 合駒で発生させた銀を移動合でスイッチバックさせる非常に高度な狙い。その意味付けが”龍利きを通すため”と統一されているのもポイントが高いです。詰将棋サロンでの選考会でも総じて好評で、見事年間佳作賞を獲得しました。

 変化処理と余詰防ぎの兼ね合いで苦労の跡が見られるものの、最終的な仕上がりとしては比較的整った初形になっているのではないかなと思います。


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香龍会にて

先日の日曜日に香龍会があり、山路さんとお会いして色々話をしました。
その時にこの2作は見せてもらいましたから、この記事はこちらからお願いしていたのに、全く無駄になってしまいました(笑)。
……とこれは冗談です。
良い作品は何度も並べて味わうものだと思っていますので意義ある記事です。
前の図は創作の基点は24飛、23銀引でしょうね。
34銀は質駒なので、最初からこの位置に置く分けにいかないので、捨て駒で動かす事になる。
そこでピンと来たのでしょう。銀を1回転させようと。
玉方銀の回転はそれほど創作難易度はないのですが、この作品は回転のさせ方に新しさがあり、しかも無理を感じさせないところが、将棋世界で見た時に感心したのを覚えています。

後の作品は知りませんでした。
これは最初からこの手順にしようとしたのではなくて、色々やっている内に、合駒を上げ下げする形になり、繰り返しになるように思い立ったのでしょうね。
創作難易度が高さそうな狙いで、氏の技術の高さが伺えます。

山路氏は、今、僕が次の発表作を一番楽しみにしている作家です。
勿論、これはお世辞です(笑)。

作品について

素晴らしい解説ありがとうございます。
作品について補足を。

①銀一回転
実は、銀一回転を狙って作ったものではありません。銀を移動合するところから作り始めましたが、逆算していったら一回転しそうなので、結果的にテーマが銀一回転となりました。作意手順はいたって平易なので、最初はスマホ詰パラに投稿しようと思いましたが、上谷に見せたところ好評だったので将棋世界に投稿しました。結果として月間優秀作に選ばれたので非常に感謝しています。

②銀連続移動合
当初は「銀合を移動合させる」をテーマに作り始めたもので、原図は11手詰でした。意味づけも単に退路確保が目的でした。原図を眺めているうちに「もっと銀を移動合させたい」と思うようになり、「龍の利きをめぐる攻防に銀移動合を絡ませる」という構想に至りました。結果的に角による王手が毎回捨て駒と化し、一手一手に深みが出たと思います。短編創作が苦手な自分としてはかなりの自信作です。投稿先ですが、(1)手順がやさしいこと、(2)駒数が9枚と少ないこと、(3)図書カードが欲しいこと(笑)、より将棋世界に投稿しました。今思えば詰パラ向きだった気もします。

作品について

書き忘れたのですが、2作品目では、5手目73銀とすると、以下同香、86角、75香(移動合)として逃れる筋があります。移動合がテーマの作品なので逃れ筋に移動合も入れてみました。(結果として入っただけですが)
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