2017/02/24

欲を出さないと面白い?(4)


 「かしこなフェアリー」(リンク先p13)宣伝も兼ねて、禁欲詰を久々に取り上げます。
 
※ちなみに、「かしこなフェアリー」解説担当は某とり研皆勤賞作家にお願いしています。自分ではないです(もう答え言ってるようなもんだな)。

【禁欲】駒を取らない手を優先する。
【最善詰】攻方は受方がなるべく早く詰むよう王手を掛け、受方はなるべく詰まないよう応じる。

※最善詰は、とりあえずここでは指定手数以内で詰ませる詰将棋と思っていただければ大丈夫です

 禁欲詰はかなり普通詰将棋に近い感覚のフェアリールールで、以下の2作もほぼ普通詰将棋とほとんど変わらない仕上がりになっています。収束に駒を捨てやすいのも、詰将棋っぽくて良いですね。

■禁欲最善詰 15手(Web Fairy Paradise 2015/11)
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18飛、(イ)17馬、26銀、16玉、17銀、15玉、37角、26香、16銀、14玉、25銀、同玉、15飛、36玉、35飛 まで15手詰

(イ)16馬は26銀、14玉、15銀、13玉、23金まで。
(イ)17歩は26銀、16玉、17銀、15玉、16歩、14玉、15歩、13玉、23金。
(イ)17桂は同飛、16歩、26銀、26銀、14玉、15銀、13玉、23金まで。

 「フェアリー入門にかこつけて」のなかでは一番構想作っぽい?
 4手目16玉が不利逃避だというのが作者の主張です。初手の26銀は禁欲ルールのせいで取れないものの、飛筋を通してからの26銀は取ることができます。受方は馬を犠牲にしてその展開に持ち込もうとします。

 2手目は不利逃避の空間をつくるための移動中合と言えるでしょうか。

 なにかもう少し自然な配置にできたらorもっと逆算できたら、解答募集するところへ投稿しても良かったんですが…。とりあえず狙い部分が伝わればいいなと思います。



■禁欲最善詰 21手(Web Fairy Paradise 2016/5)
2017-02-11b.png

12角、11玉、23桂不成、(イ)同金、21角成、同玉、(A)22香、(ロ)11玉、12歩、22玉、33銀左成、21玉、22歩、同金、11歩成、同玉、22成銀、同玉、23銀成、21玉、22金 まで21手詰

(イ)4手目12玉は13香、21玉、11香成 まで
(ロ)8手目12玉は(13歩、11玉、12歩成、同玉)×2、23銀成、11玉、12金、
 10手目同玉も同様に持駒の歩を消去すれば23銀成が可能になる。

 20手目、21手目に非限定あり。

結果→ http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takuji/WFP95.pdf

 香先香歩。7手目の香打ちがそれです。1筋への香打ちを残したいように見える形なので、先に香を使ってしまうのはなかなかの不利感(があるといいな)。
意味付けが分かるのは12手目13玉の変化です。

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 7手目に香を温存し(A)22歩とすると、ここの局面で(1)12地点の歩が香になっているか、(2)持駒の歩が香になっているか、どちらかの状態に陥ります。

 作意では持駒も12の駒も歩になるので、二歩禁で14歩の王手がききません。駒取り以外の王手候補が1つも無いので、23成銀の駒取りが可能です。しかし紛れ順になると、(1)でも(2)でも1筋に持駒を打つ手(=駒取り以外の王手)が残っているせいで、23成銀が着手不能になっているのです。

 二歩禁の作品は普通詰将棋でもありますが、自分で自分の首を締めるほうな意味付けはフェアリーならではと言えるのではないでしょうか。

 序6手の逆算はあまり狙いと関係ありません。しかし
◯香が必要な変化(イ)を盛り込むことで持駒に必然性を持たせた
(=香先香歩のためだけの持駒香と言われないようにした)
◯7手目の局面が初形だと
・初手にピークが来てしまうし
・当たり駒になっている中空の金配置が気持ち悪い

 という理由があったので入れました。守り駒は玉に隣接していたほうが据わりがいいですね。
 
 禁欲詰では19手目23銀生など、玉をひたすら追い回す迂回的余詰が無数に生じますがこれは最善ルールですべて割り切っています。禁欲特有の余詰を割り切るために最善ルールが必要になることは思ったより多くて、今後「禁欲最善詰」の出題は増えていくでしょう。






 以上、久々の禁欲でした。
 冒頭でも述べた「かしこなフェアリー」(リンク先p13)の締め切りは3/5(日)です。詳細はリンク先参照。解答お待ちしております!
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